亡き人の遺言

勝利だギューちゃん

第1話

目が覚めた。


いつもの家ではない。

でも、見覚えがある。


「ここは、確か・・・」


部屋を出て、辺りを見る。


「そうだ。ここは・・・」


僕が小学生の時まで、住んでいた家。

確かもう、取り壊されたはずだ・・・


ということは、夢?


何かの心理テストであったな・・・

昔住んでいた家が夢に出てきた場合、窓を全部あけるとかどうとか・・・

確かめてみよう。


まずは、リビングだ。


ガチャ


ドアを開ける。


「元気してるか?」

「久しぶりだな」


亡くなった祖父と、父がいた。

即効で会ってしまった。


「おじいちゃん、お父さん。久しぶり」


戸惑ってしまった。


ちなみに祖父は、母方の祖父だ。

僕の親父は、婿養子になるが・・・

それは置いておく。


「ふたりで、どうした?僕をお迎えに来たのか?」

「違う。紹介したい人がいてな」


父が言う。


「○○くん、久しぶり」

聞き覚えのある声に振り向く。


「えっ、・・・さん?」

「うん。覚えていてくれたんだ」


そこには、高校時代のクラスメイトの女子がいた。

僕の、初恋の人だ。


「どうして、君が?」

「どうしてって、○○くんのお父さんとお爺ちゃんといるって頃は、わかるでしょ?」


そうか・・・

体が丈夫ではなかったが・・・


「でも、どうして・・・さんが、一緒に?」

「私がふたりの、お世話係をしてるんだよ。もっとも、君の親族みんなだけどね」


ということは、祖母や父方の祖父母もいるのか・・・


「○○くん」

「何?」

「君はまだ、やり残したことがあるでしょ?」

「うん」


そう、まだ僕は逝けない。


「私が面倒見てるから、君はゆっくりきなさい」

「来なさいって・・・」


「そういうことだ。せがれよ」

「かわいい孫よ」


いくつになっても、孫はかわいいのか?


「じゃあ、向こうで待ってるから、なるべくゆっくり来てね」

「どのくらいだ?・・・さん」

「後、30年はそっちにいてね。じゃあ」


消えた。


「元気でな。お母さん頼むで」「こっちは安心していいからな」


父と祖父も消えた。

なんなんだ?


気がついたら、目が覚めた。

元の世界にいた。


世界というのも、変だが・・・


そういうことなら、仕方がない。


「がんばって、いこう」


追記

この話、夢に見ました。寝ている時の夢です。

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亡き人の遺言 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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