第8話三日月

雫をターゲットにして狂にのみ込まれる人間はたくさんいた。学級委員の矢島香織もその一人だ。香織は、雫に自分の気持ちを告白して今は狂の性の玩具と化している。放課後の教室で夕焼けに染められた彼女の裸体を見て油絵を描いている。香織の体のしなやかさは新体操で鍛えたものからきてるようでおへその形は三日月のように美しかった。


しかし、雫にも狂にも屈しない男が別のクラスにいた。塩崎哲は、何回も喧嘩を吹っ掛けて来ては狂に蹴り飛ばされても何回でも起き上がって来る。バイ○ハザードのゾンビのようだと狂はゲラゲラ笑って哲を銃で撃つ真似しながら蹴りあげてトイレの便器の中に放り込む。


狂は、欲望のままに行動した。理性の雫に欲望の狂。対照的な二人が一つの体と脳に共同生活している。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る