閑話 だらしな嫁とバレンタイン
「お、おはよう」
俺は欠伸ながらに、「ふわぁ、おはよう。どうした?なんか顔赤いぞ?」と言った。
「そ、そんなことない」
「そうか?」
「そうよ。そ、それとわたしはこれから寝るけど、その前に」
「?」
「はい、これ」
「なんだこれ?」
俺は月から板チョコを渡される。
「日頃の感謝とか、そんな感じのやつだから。じゃ、おやすみ。」と言った。
月は寝室に向かおうと、トタトタと早歩きで行ってしまう。
だが、月はドアに手をかけた時、こちらを振り向いて、
「今日も仕事、頑張ってね」と言った。
そして、逃げるように出ていった。
月のその頬はやはりほんのりと赤く染まっていた。
「ど、どうしたんだあいつ…風邪でも引いたのか…?」
と独り言ちた俺の目に、ふと壁にかけてあるカレンダーが入った。
「あぁ、なるほど、バレンタインデーか」
にしても、板チョコて…。
これは昼休憩の時にでも食べることにするか、と心に決める。
「さて、今日も一日頑張るか!」
と自分に活を入れるように声を張り上げた。
その声は、俺の苦手な朝に関わらず、活気がみなぎっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます