第77話
「どんな風にって……魔法の練習って言って動物や魔物を狩りまくっているユウマ君とか?」
いあいあ、それでも人間を動物や魔物と一緒に考えたらダメだろう?
俺がそんな人間に見えるのか?
まったく俺は平和を愛する一般市民だぞ?
「わかった、わかった! もういいからな……とりあえず、村長の家にいくから! リリナは着いてくるなよ?」
リリナがついてきたら纏まる話も纏まらないからなと言う言葉は言わずにおいた。
「う、うん……がんばってきてね!」
リリナの言葉に頷き、その場を後にした。
村長の家が見えてくるところで俺は眉を顰める。
そして《身体強化》の魔法を発動と同時に《探索》の魔法も発動させる。
それにより騎士団の数を確認。
人数は60人。
視界の範囲内に見えるのは50人、
10人は、どうやら隠れているようだ。
俺は溜息をつきながら村長の家に向かって歩くことにした。
村長宅が近づくに連れ、騎士の姿がくっきりと見えてくる。
着ている鎧の形はエメラダ様が率いていた騎士団とほぼ同じ。
すると俺の姿を見つけた騎士の一人が近づいて来た。。
「アライ村の住民と、捉えた男達から聞いた特徴と一致する。黒髪に黒い瞳……貴様がユウマか?」
ふむ。まあ嘘をついても仕方ないな。
「はい、それで今回の事態の話しに窺いました」
俺の言葉に騎士は頷くと身振りする。
すると隠れていた騎士達を含めて俺の方へ向かってきた。
そして俺の周りを円を描くように固めると一人の男が集団から歩み出てきて――。
「この男がそうか?」
――と俺を指さして、先ほど俺に話しかけてきた騎士に確認をしている。
その騎士が『ユウマと彼が名乗っていました』と答えているのを聞いていると。
「貴様には現在、容疑がかけられている。侯爵家の遠い血縁であった村長を不当に追放したという容疑だ。詳しく事情を聞かせてもらおうか?」
と男は言うと俺を縛り上げるように指示を出している。
おれは両腕を体の後ろに回されて縄で縛られた。
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