R なんらかの海藻とぷちぷちしたやつのスープ
スープ。具材を煮込んだ料理のことである。
シンプルながら、煮込む具材や調味料、調理工程の違いで様々な料理が世界中に存在している。
具材の栄養が溶け出して混在しているため、栄養食としての側面もあるという。
今回はそのスープが出てきた話だ。
新種の異能を配り歩いてる怪人の尻尾が全然掴めない。
これまで出てこなかったんだから相応に隠れる手段には事欠かないということだろうか。
そもそも痕跡自体が全然ない。
最初に捕まえた犯罪者だけである。
あの怪人は何がしたいんだ……?
異能テロとかだと大変困る。
権力争いの中でのやらかしならまだマシ。
あるいはマッドな研究者とか……?
どれにしても世界の状況を動かせる実力の持ち主ということなんだよなぁ。
あっさり情報収集に引っかかって対処できれば楽なのだが、そうもいかないだろう。
なんか厄介な案件をまた抱えてしまったような気がするなぁ……。
まあいいか。
とりあえず今日の分のガチャを開けよう。
R・なんらかの海藻とぷちぷちしたやつのスープ
うわぁ。
出現したのはボウル皿に入れられた透き通ったスープだった。
わかめのような海藻と、海ぶどうのような小さい粒が入っている。
まあその海藻が緑をベースとした虹色をしていて、粒の方はプチプチという音を立てていることを除けば、普通の海藻スープだろう。
置いておくにはあまりにもデカすぎる要素な気はしなくもない。
まずに虹色の海藻だ。
虹色に緑のフィルターを掛けたみたいな色合いで非常に毒々しい。
とても食えるようなものには見えない。
竹串でつついてみたが、茎わかめよりも弾力がある。
本当に海藻かこれ?
次に、プチプチしたやつ。
そもそも聞こえている音だが、擬音ではない。
30代男性の肉声で「ぷちぷち」と言っているような音がしているのだ。
当然気色悪くて普通にゾワゾワする。
色味もなんだ、ぶどうに似た紫色なのでやっぱり毒々しい。
スープもなんだ……若干淀んでいるような……。
底まで見える透き通った色味なのに、濁って見えるような。
魔力を帯びているような。
魔力視を強める。
そうしてスープをもう一度見ると、そこには極彩色の液体。
絶妙に体に悪そうな色彩をしていた。
う、うわぁ……。
食ったら死ぬんじゃねぇこれ?
後日。よりによって兄が量産に成功した。
海藻とプチプチしたやつは栽培に成功。
スープは取り出した具材を再度煮込むことで量産できる事が判明した。
なお、海藻とプチプチしたやつは有毒で、食べると全身が違う生き物に変化するそうだ。
スープの方はどういうわけか完全に無毒だが、味は微妙とのこと。
魔力を食べて生きている生き物なら美味しくいけるかも……とかなんとか。
取り出した具材を再利用してスープを作ったりとか……。
具材を栽培したりとか……。
本当に何やってんの!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます