R アンテナ
アンテナ。電波を送受信するための装置で、金属の棒を組み合わせたような形状をした道具である。
金属に対して電磁波を当てると、電流が流れるという現象を利用した道具であり、アンテナが受け取った微弱な電流を増幅して読み取ることでその情報を読解しているのだ。
今回はそのアンテナが出てきた話だ。
ダンジョン産の素材としてこれまで使いようがなかったがそこそこ売れていた素材として「硬い石」がある。
これはダンジョンのドロップアイテムとしてたまに生成されるハズレアイテムで、その特徴はハチャメチャに硬いことだ。
その硬度、なんとタングステンを上回る硬さである。
あまりに硬すぎて成分を採取できず、何で出来ているのか全く不明。
機神が見るにケイ素の類なのは間違いないらしいが、ケイ素ならケイ素でなんでそんな硬度になっているのか謎だとしか言いようがない。
で、なんでそんなものが売れているかというと。
硬い物は硬いなりに用途が存在するからだ。
どうにかして粉末状に加工できればドリルビットに利用できるし、薄く板状にできれば摩耗を抑えたい部分に貼り付けて強度を担保できる。
非常に硬いために、工業的な価値は計り知れないだろう。
……まあ、まだ加工出来てないんだけど。
びっくりするほど硬いせいで現代科学が全然勝てないのだ。
どんな手段を使用しても加工できないが、加工できればそれだけで他の国や会社を超えられるため諦められない夢として売れているのが現状。
他にも色々あるんだから諦めればいいのに……。
まあ工業的価値を見出してしまったら仕方ないか。
ガチャ回そ。
R・アンテナ
出現したのアンテナだった。
円盤状の3枚のアンテナを柱に取り付けた、電波塔などにつけられるような代物と、細い骨組みだけで作られたアンテナの2つでワンセット。
見るからに円盤の方が送信、骨組みの方は受信のようである。
また円盤がついた柱が2メートルほどある関係で動かすのも大変そうだ。
そしてなにより……アンテナの基部になにか、端子のようなものがいくつかついている。
ケーブルを使って外側に引っ張り出せるようになっていて、さらにはコンセントケーブルもついている。
円盤状の方にはオスのコネクタが、骨組みの方にはメスのコネクタがついているのだ。
送信……受信……。
もしかして。
そう思って、円盤の方のコンセントケーブルを延長コードに接続した。
するとブオン……という音とともに、円盤状の部品がその外周にそって光り出す。
ゲーミングアンテナかな?
まあ見た目は置いておいて、だ。
私はスマホの充電器を骨組みのアンテナについたコンセントケーブルに接続した。
すると、スマホに充電が始まる。
……。
やっぱりか。
電力を電波に乗せて、無線で送受信できるアンテナ。
解析できれば色々、また世界の文明を進められる超技術だ。
……解析、無理じゃない!?
超技術景品だけど、なんかそんな気がする。
後日。兄が円盤アンテナから
そう、端子から体をねじ込んで、電波に乗って移動したのだ。
USBケーブルもあったので情報もやり取りできるんだろうなとは思っていたが……まさか。
どうしてねじ込んだのかもわからないが、それでどうして移動できたのかもわからない。
なんでこいつこんなことを……と思っていたら。
このアンテナ、自己同一性が担保されてない、と兄が言い出した。
どうしてそれが分かったのか。
でもまあ、ということはその……この出てきたは
ただのアンテナなのになんでそんな、哲学的な命題が出てくるんだ。
そんなヤバい仕様があるのなら下手に解析して技術化できないじゃん!
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