R 自動改札
自動改札。駅に設置されている、切符を読み込ませるアレである。
改札は乗客が電車を利用する際の切符の確認を行っている設備であり、大量の人をさばくために高速な処理が求められる。
そのためタッチして進むような電子化された定期券はものすごい技術の塊だったりする。
今回はその自動改札が出てきた話だ。
いや、これだけ出てこられても。
人の話を聞かないで工作員を送り込んでくる国もある。
基本的に宇宙エレベーターは全域ダンジョンであるため機神は内部の人間の位置と行動のすべてを把握していて、しかも
そういう工作員は拘束し朝方に見晴らしのいい広場に吊るすようにしている。
マスクも剥いだ上、国籍と名前と所属を英語と日本語と中国語で書いたボードを首から下げた状態でだ。
あんまりこういうことされると締め出しちゃうぞ♡ という意思表示だ。
夕方には送り込んできた国の所属船に押し付けて片付けている。
いやあ、本当にどこの国も送り込んでくるので片付けるのも一苦労だ。
出し抜きたいのはどこの国も同じなんだな、と。
でもまあそういう事されると、こっちとしては強硬策を取らざるを得ない。
神の目から逃れられると思ってるのならどんどん送ってくればいいと思うよ!
出禁にするだけだからね!
まあそういうことを考えるのは兄だが。
私は結局ガチャを回して安眠妨害されないようにするだけである。
R・自動改札
出現したのは自動改札だった……自動改札?
駅にある切符を入れるアレだ。
その設備が出現した。
金属板の足場に対して、左右の読み取り機が存在しているという作りなのだが、これだけ存在していると違和感しか無い。
ある意味で鳥居などに似た結界としての役割がある物なだけに、それが単独で広い場所に置いてあると妙に落ち着かない感じがするのだ。
電源もないのにIC定期券の読み取り部分が光っているのはもうガチャの定めだとして。
使えと言わんばかりにIC定期券が足元に置いてあるのもなんかもうイヤである。
まあ私には試すしか無いのだが。
その定期券を拾い、タッチ部分に触れてみる。
ちゃんと認証されたようで、光り方が変わった。
私はその自動改札を抜ける。
抜けた先にはテラスが変わらず存在……してなかった。
見たこともない駅のプラットホームだった。
どちらかと言うとモノレールやニュートラムなどの駅に似ている。
いや、見たことがないというか、駅名表示が
間違いなく存在していないはずの駅だと理解できる。
ついでにいうと電車は止まったままである。
銀色のフレームの電車で、若干未来っぽいデザイン。
日本の技術ではないな……という印象がある程度だ。
強いて言うなら平行世界のサイバーパンク日本が使ってそうな電車である。
電光掲示板には「現在、他の駅が存在しないため発車を見合わせております」との表示が。
????
駅が存在しない?
いや、何?
なんなの?
後日。兄が狂ったように自動改札を生産していた。
内容を説明し、IC定期券を渡して兄に確認させたのだが、何かに気づいたように兄は機神に解析をさせたのだ。
その結果、20余りの自動改札を生産することに成功した。
機神、万能の神すぎる……。
ガチャ産の代物をあっさり複製して生産してしまう、しかも多分技術も読解して理解している。
IC定期券も解析済みで、内容を書き換えることにも成功しているようだ。
で、兄が用意した改札をどうしたかというと。
宇宙エレベーターの各所に配置した。
まだ霧星側だけだが。
そうした結果どうなったかというと。
地点ごとで改札が一つの駅を構築し、それぞれを、あの動かなかった列車で移動できるようになったのだ。
しかも1区間ごとに十数分程度の速度で。
わ、ワープ……。
しかも割と古典的な方法の方の……。
空間を短縮して移動するタイプのワープを、駅舎と電車の形でしてやがる、この自動改札。
プラットホームそのものは異空間にある関係で駅自体もかなり小さい作りに出来るから、余計ワープ感がある。
静止軌道ステーションまで、まさかの数時間で到達出来てしまう。
新幹線で東京と大阪を往復する感覚で宇宙まで上がれてしまう。
これまでさんざん頭を悩ませてきた課題がまたガチャ産の景品であっさり吹っ飛んだといえる。
これがレアリティRか……。
いや、機神がなきゃ複製すら出来ないんだからまあ、そうか。
複数引く前提か……。
これまでダブりとか見たこと無いのに、複数引く前提の景品が存在すんのこれ!?
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