UR 無限連結式転移ゲート その5
惑星。恒星の周囲を回る、恒星になるほど質量の大きくない星のことである。
ついこの間、うっかりガチャを回したことによって太陽系の惑星は増えてしまったが、それでも宇宙に存在する惑星の数に比べれば限りなく誤差に近いと言える。
ただ、それが地球型惑星……いわゆる生命が住める星となれば話は異なる。
宇宙にどれだけの生命が住める星が存在するのか。
地球という星は限りなく奇跡に近いバランスで成り立っているのだ。
同じような星が生まれている確率は非常に低い。
現在の観測技術でも、そのような星は1つしか見つけられていないのだ。
……いや、新惑星を入れると2つか?
今回は、転移ゲートの先を見に行く話だ。
あっという間に、外部から見て国家として成り立っているように見せかけられる程度に環境が整えられた。
機神の頭脳さまさまである。
どのような文化が存在し、どのような建築物があって、どんな政治を行っているのかを一夜にしてでっち上げてくれた。
とりあえずステーションと宇宙エレベーターの道路を繋ぐ転移ゲートを塞ぎ、5つの円盤状ステーションを国土として構築された国家は、なんというか……ディストピアっぽい。
建物が画一的なのが原因だろう。
白い箱状の建物が几帳面に並べられていて、そこに
あと商店も少ないし商売っ気もない。
まあディストピアっぽく見えても、実際の中身はモンスターハウスである。
防衛用のモンスターが待機している部屋が複数ある、と考えれば不自然ではない。
で……次の問題だが。
5つのステーションはそれぞれ5つの惑星に存在している。
地球、ガチャレクシアのある惑星、その他3つの星。
地球側のゲートを開通する……しないに関わらず、他の惑星は調査して置かなければならない。
と言っても、ステーションの天井から見える景色はそれぞれ致命的なレベルで異なるので降りたところで何かがわかるかと言われると微妙なところだ。
1つは完全に凍りついた星だ。
ステーションから外に出た
この氷がなんなのかは降りて調べてみないことにはわからないが、生命が住んでいるようには見えない。
文明の痕跡のようなものすら見えないのだ。
2つ目は極彩色の植物が育ちまくっている星だ。
もう見える範囲が虹色……というか色んな色に染まりまくっている。
漫画に出てきた生命力が異常なほど溢れた島、と言われても納得するだろう。
しかも100メートル級の体を持ったドラゴンに似た生き物がそこかしこに飛んでいるのだ。
こっちはこっちでさっさと部隊を展開しておかないと、宇宙エレベーターを攻撃されて大変なことになりそうである。
そして……3つ目。
惑星そのものが機械化された星。
超文明じゃねーか!
いや、訂正しよう。
ダイソン球に似た建造物の上に宇宙用エレベーターが出現している。
六角形のフレームが星を覆っていて、それの上に地上としてモジュールが嵌っているのだ。
……。
いやどっちにしろ超文明じゃねーか!
生物のようなものは見られず突如出現した宇宙エレベーターにも無反応であることが逆に怖い。
夜には地上にある建造物の灯りだと思われる光が星空のように輝いているのが見えてるため、なにかいるのは間違いないはずなのだが。
本当になんで無反応なんだろうか。
地球でもなにかいろんな国の警察とか軍隊とか、公式非公式問わず寄ってきてはバリアに阻まれて追い返されていたのだが。
……。
ろ、ろくな星がねえ……!
辛うじて自分の常識で計れる氷の星がまだマシな部類ってどういうことだよ。
この氷の星は惑星の図鑑を見ていれば割とよく見かける部類である。
氷の成分が異なることが多いが、大体恒星から遠いのを理由にガスが凍りついているだけだからだ。
その他は……もうお手上げである。
世界観が違いすぎる。
魔法が上乗せされただけのガチャレクシアはイージーモードだったのだなという気がしてくる。
踏み入れば何もかもが新しい概念に覆われてそうな、極彩色の植物の星と、そもそもどう関わっていいかわからんSFにでも出てきそうな超文明の星。
どうやって調査すればいいっていうんだこれ……。
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