第86話 1週間後
現実に戻ったり、異世界にやってきたり。
色々な交易に使えそうなものを手あたり次第もってきたし、逆に現実で使えそうなものを持っていったり、グリーンヒーローとして頑張ったり。
ミカンにからかわれたり、林介に爆笑させられたり、お袋には色々と注意されたり。
そうやって1週間が経過した。
村では相変わらず作物が沢山取れまくるし。
ジービズさんは覚醒したのか次から次へと新作の武具やら道具やらを製作していく。
ディボンドさんは沢山のオリジナルレシピを作った。
缶詰に入っている蜜柑をシチューと合体させ、絶妙な香辛料で激うまにするという。
明らかにまずそうなものを作り、
そこにいた双子学者とエルフ大工を驚かせたものだ。
そもそも交易路が1週間で出来上がるというもの、だいたいの予測でしかないし。
トンボ団長が言っていたのか、それとも言っていなかったのか、自信はないけど。
それでも僕は1週間後には完成していると、信じたかった。
そして1週間が経過した。
まず向かったのはエルフの老人で銀色の髪の毛をしたドスンバンさんの所に向かった。
僕は出来上がってから見る楽しみの為にこれまで見に来なかった。
そのせいかその出来上がり具合に感動してしまった。
ドスンバンさんは銀色の髪の毛に木くずをつけながら、頭を水汲み場から引いてきたのか、ホースのようなもので頭を洗っていた。
このホースのようなものも現実世界から持ってきた代物である。
爽快な姿になっているドスンバンさんは、老齢ながらもエルフだからなのか、とてつもなくイケメンに見えたのは僕の感性が可笑しいからなのかな?
とか色々と考えてしまった。
「約束通り1階に5部屋、2階に5部屋、3階に4部屋の大型住居、あとは色々と小部屋や職員達が集まる部屋も作っておいた。あとこれはサービスだが、体育館なる物も地下に作っておいた」
「すごく助かります。そもそも体育館とはどこで知ったのですか?」
「お主が持ってきている教材とやらに色々と書いてあった。おぬしは見本として1冊の学校パンフレットをおいていっただろう?」
そう僕は彼にパンフレットを1冊渡していた。
あまり効果は期待できないと思っていなかったので意識にもとどめなかった。
きっとそこには体育館が書かれてあったのだろう。
「プールなどはちょっと時間がないから作れなかった。それがしがこの村にいるかぎり、プールは設立出来るようにゆっくりと計画を立てたいのだが、よろしいか?」
「そう言って頂けるととても助かります。実は次の仕事があるのですが」
「さすがは村長、大工を飽きらせないその心意気はいいぞい」
「実は闘技場を作って欲しいのです」
「ほう、じゃが、お主の事だから血なまぐさい殺し合いの場を作る訳ではなかろう?」
「それはもちろんです。お互いが死なない程度に武器を使い、武術を極める場所だと認識してください」
「それならよかろう、ではどこに作ろうかのう、ではあそこの平地に作ろうと思うかのう、沢山の木々が伐採されておるし、問題は切りカブを引っこ抜く行程が大変だという事じゃが、それはドワーフだからであり、このそれがしには通用しないのじゃ、なぜなら魔法があるからのう、さっそく手をつけよう」
「そこは任せます、よろしくお願いします」
きっと闘技場の知識は僕よりエルフで長命のドスンバンさんの方が詳しいだろうから、
あまり口出しはしないでおこうと決めていた。
「ドスンバンさん見積もりは?」
「ざっとまた1週間じゃ」
僕は頭をゆっくりと下げると、
彼はにかりとげらげら笑いながら魔法を発動させていた。
たった1人のエルフ大工はよく働く爺さんだった。
僕が次に向かった場所は、楽しみその2である。
そこは地下施設であり、地下の交易路の要となる部分だ。
巨大な階段を見つけると、そこをゆっくりと歩き出す。
螺旋階段のそれは、ドラロボが通れるように巨大になっている。
不思議とドラロボは1体もいなかった。
不思議に思いつつも、僕は地下の奥深くにまで到達していた。
そこには僕の事を待っていたかのように、10人のドワーフ少年兵たちが、頭を下げており、
その真ん中にはトンボ団長が髭をなでながら、突っ立ており、
ドワーフ少年兵の態度で、僕が来た事に気付いたようで。
こちらに向かって微笑ましい笑顔を向けてくれた。
「ヒロスケ殿完成いたしました。まずはエクスバン国家との道と開通し、次にセルフィール国家と開通しました。マグマの道を避けてバラドリ混在王国とも開通しました。なのでこれで事実状誰にも気づかれずに交易ができます」
「す、すげーーーー、お前らすごいよ」
その発言で、ドワーフ少年たちは目を輝かしていた。
「君達はこの世界の生物の希望を作ってくれた。ありがとう」
「さらに、もう1つ仕事が終わっております。それは地上の道です。エクスバン国家とセルフィール国家の要塞を作りました。要塞の交易路となっておりそこでは縮小規模の交易する交易商がいるでしょうが、本来はこの地下、この地下で大群の交易をするのです」
「トンボ団長、色々とすまない、苦労をかけた」
ドワーフ少年たちは目がぎょろぎょろとなっているし、トンボ団長に至っては、全然寝ていないのか、目元が黒くなっていた。
「1つだけ我らに願いがあるとすれば、睡眠と沢山の食事です」
「おう任せろ、ついてこい」
僕とふらふらの少年ドワーフ10人とトンボ団長は歩いている。
宿に到達すると、実は最近ドワーフたちの姿を見ていなかった。
がんばっているのだろうなとか思っていたので、宿から出る時にネンネとディボンドを呼び出していた。
そして2人は豪華な料理を作ってくれたのだ。
ドワーフ少年達はまだ見ぬ現実世界の地の食べ物に目を輝かせトンボ団長は涎を垂らしながら、みんな食事にありつき。
無我夢中で食べている。
みんな嬉し泣きのように1人また1人とドワーフの歌を歌いだす。
泣いているものだから、へんてこりんな歌になってしまったが。
それで僕は彼らにこの道づくりを頼んだ事を嬉しく思った。
この日から村とセルフィール国家とエクスバン国家とバラドリ混在王国の交易が始まった。その交易商の中にはディボンドと呼ばれた巨漢とウィルソンというチビガキがいたのは、数名にしか気づかれなかった。
そして学校が始まると村に住んでいた女性たちは子供達を学校に預けると、
1人また1人と自分の仕事についていった。
赤子をベビーカーに乗せている若い女性達もいたりしていた。
R18肥料のボトル型栄養剤のおかげのせいか、
ありえない作物が見えるようになってきた。
玉ねぎがバスケットボールくらいの大きさだったり。
逆にイチゴが2ミリサイズの小ささだと思ったら、甘味がめちゃくちゃ凝縮されているという、信じられないイチゴとか。
あと学校には巨大テレビを設置した。
魔力の力のおかげで、巨大テレビは電気がなくても起動した。
ただしニュースや番組を見る事はできず、出来るのは、XFXゲーム機で100個のゲームソフトをするくらいだ。
子供達はわくわくと目を光らせて、次から次へとゲームの虜になっていく。
そのソフトの中には学習ソフトもあるので、彼等なりに勉強をしている。
あとはリサイクルショップで購入した。教科書と参考書達だが子供たちにはちんぷんかんぷんんであった。
そんな時、シシビルドとマービルドの双子錬金術師が、指導したりしていた。
彼らが勉強してきた事は小学生くらいで止まっているが。
それでも小学生くらいの勉学があるという事は色々と指導が出来るという事だ。
中学生レベルになると僕がやらなければいけないかもしれないという思いは抱いていた。
そうやって僕のスローライフは構築されていった。
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