第10話 リサイクル素材採集中
現在、現実世界にて高く転売、つまりリサイクルできる品々をネンネとウィルソンとネッティーとラングンで相談していた。先程から意見が飛び交っている。
10人の村人達からのアイディアも聞きつつも、やはり革新的なアイディアを告げてくれるのは、3名だった。
あとウィルソンは勝手にいなくなりました。
さすが悪ガキ代表というか、色々と考えさせられるけど、逆に良かったかもしれない。
ネッティーは農作業のリーダーであり、
ラングンは農夫のリーダーみたいなもので、ネッティーが上司となっている。
ネンネは村長であり、
今議論になったのは、鉱石というものだ。
「俺が使っている鉱石は赤い鉱石と青い鉱石、赤い鉱石が攻撃力上昇、青い鉱石はスタミナ上昇。ちなみに農夫なら誰でも持っている」
「違いについては分かるのですか?」
「そうだな、俺は今からネッティーさんを持ち上げる、女性ですからお尻と胸は触りません」
「あ、当たり前よ」
ネッティーが狼狽しつつも。
赤い鉱石をポケットにしまい、青い鉱石もしまうと、ネッティーを持ち上げる。
それはとてつもなく軽々しかった。
まるでプロレスラーのようだった。
そして僕のほうに赤い鉱石と青い鉱石を投げる。
先程までラングンは余裕だったのに、どんどん、顔色が悪くなり、あっという間に降ろしてしまう。
僕は現在赤い鉱石と青い鉱石を掴んでいる。
そして異変に気付く、なんと体がとてつもなく軽いのだ。
一気に体が進化したのではないだろうかと、少しの恐怖を覚えつつも。
「どうだ。俺の顔色の変化は嘘ではない、そして鉱石を持ってみて分かっただろう? これがバフストーンというものなんだ」
「バフストーンですか、まるで、いえなんでも」
「バフストーンは色付きの鉱石に宿るとされている。これも高く売れると思うぞ」
「助かります」
ネンネとネッティーとラングンと村人10名で熱く話し合った結果、その3つとなった。
「では村長命令です。ネッティーとラングンと村人10名で薬草と鉱石を集めてください、わたしとヒロスケ殿とウィルソンでモンスターの素材を集めますので」
「村長、モンスターが表れる場所は分かるかい?」
ネッティーが尋ねると、ネンネはうなずく。
「昔、父親に剣術を学べとスライム狩りをさせられてたわ、場所は村の裏口の森よね」
「その通りです。うちとラングンと村人10名でモンスターのいないところで素材を集めます」
「はいお願いします」
「ではみんな気合を入れるぞ」
【うぉおおおおおおおおおおおおおおおお】
ラングンの活に村人10名は叫び声をあげていた。
―――――――――――――――――
村長宅→村裏口→スライムの森
―――――――――――――――――
「ここがスライムの森というところなんですね」
「その通りよ、木々だってスライムみたいでしょ」
「スライムみたいというよりかはスライムの形をした木々でしょうね」
「その通り」
木々の葉っぱが合体しまくり、巨大なスライム状の形となっている。
葉っぱの色は沢山の色に埋め尽くされている。
カラフルそのものだ。
まさにスライムの森というのが相応しいだろう。
こんな山奥の村がゲームで言う所の初期村だったら笑えるのにな、スライムの森の入り口にはウィルソンが木刀を握りしめて待っていた。
「遅い、遅いぞ、村長とヒロスケ殿、こういう戦いの前は武者震いがして、戦いたくてうずうずしている。それを覚ましおったな」
「仕方がないだろ、色々と相談していたんだから、元はと言えば君が勝手に抜け出すからだろ会議から」
「それは失礼、俺様流儀なので、さてスライム狩るぞ」
なぜだろう、すごくシュールさを感じている。
スライムを倒すのに本気になっている人って、すごく悲しい存在な気がする。
このスライムが絶滅したらどうするのだろうか、それが非常に気になるのだ。
だってスライムで苦戦している少年が、ゴブリンとまともに戦えるなんて思えない。
村長のネンネは静かにその光景を見て、くすりくすりと笑い声をあげている。
ウィルソンはそれに満足したのか、文句を言う事を止めた。
目の前に1体のスライムが出現した。
まるでボール玉のようにバウンドしながらやってきて、目と口はなかった。
目がある所には黒い空洞があり、小さな豆みたいなものがある。
そして口はぎざぎざで、牙まである。
「結構スライムって怖そうだね」
「そうよ、スライムだからって侮ってはいけません」
「村長の方が分かってんじゃん、じゃ見本見せるぜ」
ウィルソンは木刀を構えると走り出した。
地面を跳躍すると、
「でぃいいいいああああああああ」
怒声を張り上げて、木刀は弧を描き、叩き潰す容量で、スライムはゆっくりと右にそれる事でそれを避けてしまう。
「小癪な」
そこから先はスライムとウィルソンの攻撃の試合だった。
ウィルソンは格好をつけるのをやめて、ほぼモグラ叩きの容量で何度もスライムを叩く、しかしスライムはそれを俊敏と避けてしまう。
スライムは腹がたったのか、牙をちらつかせて、ウィルソンとの鬼ごっこ。
「なぁ、あれは遊んでいるんじゃないんだな?」
「そ、そうね、ヒロスケ君もそう思う? あれ、たぶんだけど」
「「遊んでるんじゃなくて、やられてるだけだ」」
2人は確信についてしまった。
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