虚無の怒り
――感情、というものはデータ化された。らしい。
人類には、感情というものがなければいいと、誰かが結論付けたらしい。
――で、あるならば。
この、私の目の前にある、熱を失った死体。
――私も、何も感じない。熱を失うとはそう言うことだ。
――で、あるならば。
「……………………………………………………………………………………」
――私の、この目の前の全てを害さんと突き動かす物は、いったい何だ。
◆
――全て終わった。
世界は瓦礫と灰と死の山となった。
そして私もその一部になる。
この近辺で一番小高い瓦礫の山に座る。
そうした理由もわからずに、座り。そして。
――最期に、彼女と一緒に見た夕陽を見て。
「――ああ、私は。ただ、怒りたかったんだな…」
やっと、それだけを理解して、私は眠った。永遠に。
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