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「ウチはそう言うのは間に合っていますので!」


 このままだと何か怪しげなものを買わされると危惧したおばあさんは、満を強引に押し返します。


「そこを何とか! お話だけでも!」

「他所に行ってください! 迷惑です!」

「そこを何とか!」


 満もノルマがかかってるのか必死でした。おじいさんが彼の話を聞きたがっているのもあって、おばあさんは心を鬼にしてきつい態度を取り続けます。その雰囲気を感じ取ったおじいさんはもう何も言えません。

 押し問答はしばらく続いたものの、最後は満の方が根負けし、スゴスゴと帰っていきました。


 こうして怪しげなセールスマンから家を守りきったおばあさんは、とても充実した表情を浮かべます。

 それからは、またあの何でもない平和な日常が戻ってくるのでした。



https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894390095


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