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「狸さん、かわいいのう」


 狸を気に入ったおじいさんはニコニコ笑顔で近付きます。狸は人に慣れているのか、おじいさんが近付いても逃げませんでした。

 それで、おじいさんも狸をなでようと手を伸ばします。


「おいじいさん、キビダンゴ持ってねぇか?」

「は?」

「キビダンゴだよ。持ってねぇのかよ」

「た、狸がシャベッタァァァ!」


 いきなり狸がタメ口を聞いてきたので、驚いたおじいさんは腰を抜かします。世にも珍しい喋る狸はどうやらキビダンゴが好物のようで、だから逃げずにいたようです。

 おじいさんがそれっぽい容姿をしていたので、キビダンゴがもらえると思ったのでしょう。


 けれど、残念ながらおじいさんはキビダンゴを持っていなかったのです。この状況に、どうしたらいいのかおじいさんは悩みました。

 と、ここでその一部始終を眺めていた女の子はポツリとこぼします。


「この狸、狸鍋にしようぜ」



 そうじゃのうと狸を仕留める

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894252772

 この狸は可愛いからダメ!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894252943

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