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「さて、何か面白い店はあるかのう」


 おじいさんは天狗のうちわを懐にしまい、街の観光を始めます。通りはかなり賑わっていて、色んなお店が並んでいました。にぎやかな所はあまり好きではないおじいさんでしたが、知っている人がいないので逆に安心してのびのびとお店巡りを楽しみます。


 団子屋、呉服屋、八百屋、芝居小屋、本屋、見世物小屋、家具屋、雑貨屋……色んなお店を冷やかして回っていると、骨董品屋が見えてきました。何か掘り出し物でもないかと、軽い気持ちでおじいさんは歩いていきます。


「ちょいと邪魔するよ」


 おじいさんが骨董品屋に入ると、その時、ちょうど店主はいませんでした。おじいさんは不用心だなと思いながら、勝手に店内の品物の物色を始めます。


「おっ、珍しい壺があるのう」


 おじいさんが目をつけたのは外国製の珍しい造形の壺でした。初めて見るその不思議な色合いは、まるでこの世のものではないようで、吸い込まれるようにおじいさんはその壺を手に取ります。

 そうして、何気なく壺の中を覗き込んだその時でした。おじいさんは壺の中に吸い込まれてしまいます。この突然の展開に、おじいさんはすっかり困ってしまいました。


「なんてこった。一体この壺はどうなっとるんだ……」


 壺の中は真っ暗で何も見えません。中の世界が広いのか狭いのかすら分からないのです。おじいさんは腕を組んで、どうにかここから脱出出来ないかと考え始めました。



 何かいい方法を考えねば……

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894205102

 もうこの壺を破壊するしかない!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054894124932/episodes/1177354054894205385

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