美容師に恋した私
水谷一志
第1話 美容師に恋した私
一
こんなはずじゃなかった…。
でも、これだけは言える。
私は、確実にある美容師に恋をしている。
二
私は今まで、数多くの美容の現場を見てきた。
そんな中、私は「カミ」と言われている男性美容師と出会う。
その美容師はいわゆる「イケメン」だがそれだけではない。
仕事のスキル、接客、どれをとってみても彼は完璧だ。
三
ちなみに私も「カミ」と呼ばれているが、恋愛などついぞしたことがない。
私の長い生活をもってしてもだ。
人が聞いたら必ずこう言うだろう。
「えっ、あの『カミ』が恋愛するの…?」
またまたちなみにではあるが、私はいつまで経っても黒髪のままだ―まあこれは余談だが。
四
「先生、今日はカラーにしたいだなんて…。どうかなさったんですか?」
「いえ、少し気分を変えたくて…。」
五
何々?私はどこかの大学教授か何か?それもファッション関係の?
それはそうだとも言えるし、そうでないとも言える。
確かにこの先生は「神」と学界では言われている。
でも私は―、その先生の、切られた【髪】の毛なのだ。
PS 先生が髪を茶色に染めても、切られた私は【黒髪】のままである―余談だが。
美容師に恋した私 水谷一志 @baker_km
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