美容師に恋した私

水谷一志

第1話 美容師に恋した私

こんなはずじゃなかった…。

でも、これだけは言える。

私は、確実にある美容師に恋をしている。


私は今まで、数多くの美容の現場を見てきた。

そんな中、私は「カミ」と言われている男性美容師と出会う。

その美容師はいわゆる「イケメン」だがそれだけではない。

仕事のスキル、接客、どれをとってみても彼は完璧だ。


ちなみに私も「カミ」と呼ばれているが、恋愛などついぞしたことがない。

私の長い生活をもってしてもだ。

人が聞いたら必ずこう言うだろう。

「えっ、あの『カミ』が恋愛するの…?」

またまたちなみにではあるが、私はいつまで経っても黒髪のままだ―まあこれは余談だが。


「先生、今日はカラーにしたいだなんて…。どうかなさったんですか?」

「いえ、少し気分を変えたくて…。」


何々?私はどこかの大学教授か何か?それもファッション関係の?

それはそうだとも言えるし、そうでないとも言える。

確かにこの先生は「神」と学界では言われている。

でも私は―、その先生の、切られた【髪】の毛なのだ。

PS 先生が髪を茶色に染めても、切られた私は【黒髪】のままである―余談だが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

美容師に恋した私 水谷一志 @baker_km

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ