第12話 雨は晴れぬ。腐食を進めるだけ。


年を越した。


人生最悪な年越しだ。


何もしなかった。

何かする気力は無かった。


「あけおめ」の4文字も打たなかった。

おめでたくないし。。。


新年というのに、

まわりとの関わりを絶っていた。

誰とも会いたくないし、話したくない。

今の私を見ても、否定されるだけだ。

この、胃液で喉が爛れる苦しみ、もどかしさ、どうにかしてくれ。


満たされない人間的欲求は、

満たされることを諦め、

私は人間らしさを失っていく。

涙と崩れ行く言葉のみが、唯一の人間であった証拠となった。


残酷なことに、時間は平等であった。




明日から仕事だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る