第6話 秋風冷たく、鉄は冷える

幸せな日々は、長くは続かなかった。

なんかドラマっぽい、言い回しだ。


最初の秋頃、

僕は、藍色の上司と炎上プロジェクトに参加していたんだ。

別に、僕は、藍色上司と一緒であれば、乗り切れると思ってた。


張り切ってたなー。

分からないことを質問したり、調べたり、プロジェクトをよくするために、提案なんてものもしたっけな。

それに、秋は好きなんだ。

ほら、日に日に風が冷たくなるし、

色の彩度は、下がってくるでしょ?

あと、夜は凄く静かで、清々しいんだ。


でも、

最近、藍色の上司は、何か変わってきている気がする。

例えば、少し投げやりになってるって感じ。


嫌な予感はしたけど、

なにもできなかった。



藍色の上司は、退職したんだ。

「来週から、僕いなくなります。」


よくわからなかった。


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