第38話

 夏緒は、少女の熱に困惑しながらも、こう訊いた。

「それで、お腹の調子とか、眠気とか、今いるかい?」

と、少女は機嫌スッキリな感じの表情を浮かべて返した。

「あら、なんともないわ」

「よし、その調子で討論ディベートも頑張るといい」

「うん、ありがとうね」

 少女がご機嫌で去っていくと、夏緒はまた深いため息をついた。

「お疲れさま」

と、呼びかけられたので、振り返ると、この図書室の司書さんが、グリーンティーをティーカップに入れて、机に置いてくれた。

「ふう、ありがとう」

 夏緒は、そううなずいて、グリーンティーを飲む。

「うん、あいかわらず美味しいね」

「ふふふ、お褒めに与り、光栄ね」

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