第29話
「あそこにネコがいるだろ?」
「うん」
「あいつに
「でも、わたしはネコと話せないのだ」
「というわけで、これを使う」
と、夏緒はカバンから、
「翻訳ロボットだ。これを使ってごらん」
「わかったのだ。ネコさん、ネコさん」
少女がおそるおそる話しかけると、ネコがアクビして人それと同時に形が声を発した。
『にゃんかようか?』
「わあホントなのだ、じゃあ宿題を手伝ってほしいのだ」
『わかったにゃ、仲間にも手伝ってもらうニャ』
しばらくして。
「やったのだ、ネコさんのおかげで、宿題なんとかなったのだ!!」
満面の笑顔で、そう報告する少女に、夏緒も安心した風に笑って返す。
「それはよかった」
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