第15話

 ある賢者がこう言った。

「つま先で立ち続けることはできにゃいし、大股おおまただけでは歩けにゃい。自分だけで見ようとする者には明るさがたりにゃい。自分だけを良いと思ってる者に良いことはあらわれにゃい。自分だけで闘う者は功をあげることができにゃい。そして、自分だけでほこってる者は、実はどうということはにゃい。悠然ゆうぜんと道を行く者からすると、ムダ飯や道草みたいなもんにゃ。こういう者たちに良い者はこにゃい」


「という話もあることだし、キミもやつなのかもしれないね」

 夏緒がそう言うと、生徒は踊りあがるように喜びました。

「ホント?やったあ!!!」

「そこまで褒めてないんだけどね」

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