第5話

 昔のことである。

 学園都市の近くに川に船で渡るものがいた。

 さて、ある日、彼は川につるぎを落としてしまったので、あわててその船縁ふなべりに目印を付けて言った。

「ここが、わたしの剣が落ちた場所にゃ」

 そうして向こう岸に行った彼はその場所に行くと、水中を捜した。

 しかし、剣は動いていたので、見つからなかった。




「へえ、なんともムダなことをしたんですねえ」

と、まだいた食いしん坊がみたらし団子を食べながら言うと、夏緒はこう返した。

「まあ、そんなことじゃ見つかるものも見つからないね」

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