海に沈んだ街を歩く、僕はもう死んでいる

@miurashi

第1話

とても長い間雨が降っていた。10年、20年と経ってようやく雨が止んだ。街は水中に沈んだ。そして、僕は目的もなく水中都市をただ歩く。オフィス街を魚達が泳ぎハタハタと尾ひれで光を揺らす。僕は軽く地面を軽く蹴ってポストだったものに腰を下ろす。そしてただ眺める。揺らぐ光と魚、ワカメみたいな海藻と高層ビル。ビルの間を縫って泳ぐ魚。光と揺れる海藻。人は誰もいない。1人もいない。だけどなんだかとても幸せだった。

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