魔双戦記アスガルドディーオ 神々の系譜

aoi789

第1話 三大世界構造アスガルド



今から約千年前、魔族の征服に対し、民衆が立ち向かった『魔導大戦争』が勃発した。



魔王ダギラスを苦戦の末、倒した歴戦の猛者たちは、地上界イシュタルに平和をもたらした。



世界は三大世界構造、『アスガルド』を為していた。



世界は、地上界イシュタル、その地下にある世界、地下大陸ギルマモーレン。



そして、地上界イシュタルの上にある世界、魔族や物の怪が徘徊する魔界大陸ザンギールスで三大世界アスガルドは構成されていた。



つまり、下の世界から、一層世界『地下大陸』二層世界『地上界』三層世界『魔界大陸』をなした世界である。



魔導文明、通称カリオス文明が栄えた時代から、約千年の時が経った。



時は地上界イシュタルの暦で、レルク暦1358年を数えていた。



魔導文明がまだ残っており、魔導戦車など、魔導兵器が世界にはまだ残っていた。



当然のように、魔導の力で飛ぶ、飛空艇など、魔導エネルギーを使う千年前の名残があった。



しかし、魔王ダギラスを倒したのも束の間、現代において、更に強力な魔王が現れていた。



その名も、魔王アガスラーマ。現代を混沌の海へと落とすような、恐怖に満ちた侵略を地上界において展開していた。民衆は、恐怖におののいていた。



誰か、この元凶を打開してくれる、魔王ダギラスを倒したときのような猛者が現れてくれないものかと。



人々は願った。いつか救世主が現れることを。



だが、地上界イシュタルには救世主が現れることもなく、魔王アガスラーマは民衆を恐怖のどん底に落とした。脅威の呪縛、『死の結界線』デッドラインを地上大陸の大地に呪いとして、魔法陣の布陣でふしたのだ。



デッドラインというのは、呪いの境界のことで、この大陸に付された境界線の近く、もしくはテリトリー内に入ると、魔王の魔力でモンスターなど、敵が現れるというものだった。



このテリトリーとぶつかるときは国から国へと海を渡り渡航するときも命がけだった。



魔王の強大な魔力は歳とともに衰えることもない。永遠と死ぬまで続く。



つまり、この死の結界線の呪縛が永遠に続くということだった。



現に、この死の結界線でモンスターに襲われ命を落とした民は少なくない。



権力を席捲していた、王族、貴族もこれには参っていた。



いつか、自分が魔族の侵略で国ごと葬られる。危機感が募っていたのだ。



民衆も怯え、混乱し、政治に不満もあらわれ始めていた。



そして、炎のような色をした一筋の光が少年に舞い降りていった。

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