フリッケL[□フライ

@I-Nameless

第1話 片隅の片隅#

何処か分からない宇宙の何処か、

デブリ回収船『フリッケフライ号』は四方向からクレーンアームを伸ばしてデブリを掴んではコンテナに収容した。

フリッケフライ号がどんな構造をしているかと言うと、

500m級のトラクタシャトルの後方に1000mの大型ロケットブースターを付けてその間に800mの天面と後部がシャッターで開くコンテナが接続されてる。

ロケットブースター側面位置的にはフリッケフライ号底面近くに放熱板ロケットブースターの横に姿勢制御用のバーニア8機とその上下にクレーンアームが付けられてる艦後部上方には折り畳み式ソーラーセイルが付けられてる。

その4機のアームを船長のセラは4機のアームのカメラに映し出されたそれぞれのモニターを頭を頻繁に左右に振って確認をした。

本来アームの操舵は操舵席の人が行うべきだが慢性的な人手不足を想定して一元で操舵が可能に成ってる。

『セラ~後此れもか~?』

「あっそれで大分片付きます、後は撤収です」

通信機越しでコニ=バスナの返事に対しセラはそう答えた。

全長8m位は在るコニの乗る作業用デバイスに対し成人男性並みの大きさの金属のデブリをコンテナに機体毎収容後、発進しようとした。

その直後だ

「Nブラボー、Tデルタに大型金属物。戦艦かコロニーの残骸だな」

船長席の左隣のオペレーター席のアイネが各種レーダーやセンサーの情報から船長に報告した、

「大きいですね」

『此れも拾うか?』

通信機越しからコニがそう問われたが、

「無理ですあんな大きいの、無理に牽引させようとしたら燃料切れに成ります」戦艦の分析をしていたアイネはこう述べた、

「いや、前面のサブスラスターと此方が持ってるリモート式時限爆弾3個中2個あれば可能だ」

アイネことアフィーリ=ネフィト=ウッドラックは戦艦をどう動かすかのプランを示唆した。

「メインスラスターとブリッジが遣られてますが動かせるんですか?」

セラの疑問に対し、

「銀河連邦は自分達の物がデブリ化した物をジャンク屋に拾われるのを必要悪として黙認してるんだ」

「そんなもんですかね?」

と言った後セラは宇宙服に着替て作業用デバイスのあるコンテナに向かった。

完全に機能してないドアを射程の短いレーザー溶接器で抉じ開けた後、

デバイスを降りて中に入った、

艦の操舵に必要なブリッジが破損したがメインコンピューターは機能してないがバッテリーは偶然生きていた。

セラは配線を弄っていたがまだ何も動いて無い。

「まだか~早く~息が~」

コニがおふざけで急かして様に見えたが本当はそうでは無い、

「待って下さい、軍のプロテクトは厄介何です、下手に弄って自爆装置が起動したら目も当てられません」

バッテリーの電力がコンピューターを起動したコンソールが命令待ちの状態に成った、

「動きました後はサブスラスターの作動を...」

コンソールに入力した直後、艦が細かな振動が起きた、

サブスラスターが作動したのだ。

セラはコンソールを何回か入力すると艦は止まった、フリッケフライ号から見て上から下に進む戦艦は完全に止まった。

次に行うのは艦のミサイル保管室、

アイネ曰く装填の前段階に保管の為の区画が在って。此れは魚雷と同じらしく機械式でその都度装填するようだ、

バッテリーがまだ持ったお陰でドアのロックが外れ抉じ開けるより簡単に開いた、

等間隔に並べられたミサイルが立てて置かれてた。

その間を移動してそのほぼ中央にリモート式時限爆弾を付属のパテを付けて設置した、

「此方も準備出来ました」

「こっちもOKだ!」

セラとコニが通信機で同時に連絡した後。

「うむ。ミサイルハッチ近くのコニは4分後に起爆する様にして、セラ君は5分後で」

「了解」

「了解です」

何故同時じゃないかと言うと。

ミサイルハッチとミサイル保管室を同時に爆破すると、思わぬ副次被害が起きかねないからだ、

セラは爆弾に『5分』とタイマーをセットして起動した、

コニはこの艦の構造を知ってたのか約2過ぎで外へ逃げたがセラはよく分からない為道に迷った。

途中で爆発音が聞こえた、

1分を切ったのだ、

焦る気持ちを感じながらも何とか外へ出れた。

ただ出た所が作業用デバイスから離れた所に居た。

探すにも時間が無くやむ無くそのまま外へと思った時、

コニの作業用デバイスがこっちに来た。

作業用デバイスの左腕が救いを求める様に伸ばした、キャノピー越しには身長140cmの割に立派な過ぎるモノがはっきり自己主張した宇宙服を着た人が中から親指を立て肘を何回か曲げてる。

セラは艦から離れて作業用デバイスの左腕にしがみついた。

フリッケフライ号に収容した後、セラとコニはブリッジに戻ると、

「5分前に戦艦が動いたみたいだ」

アイネは簡素な報告をした、

「...じゃあ、後は拾って貰えるまで待つしか。無いですね」

「そういう事だな」

まるで他人事だ。

船長席にセラは座ると通信機にメッセージを送信した、

『デブリ回収業者グループ所属船籍番号5656BM フリッケフライ号、船長セラ=カインズ、現在破棄された銀河連邦軍の戦艦を回収。エクシリア星系外縁に向け移動を開始した回収を求む』

end

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