第6話 幼馴染の苦難
私は
今私は悩んでいるのだ、この状況に……。
倒堂とは幼児期の時から一緒で、いつも誰よりもそばでめんどくさがりな彼を見てきた。
そして、次第にそんな彼を好きに……なってしまったのである。
でも、成長するにつれて気持ちを伝えるのが難しくなり、告白したくても出来なかった。
そして私は、あの言葉が出てくるのではと恐れた、恐れてしまった。
面倒くさいというたった一つの言葉が出てくることを、そして私はこの気持ちを心の中へとしまっておこうとしたその時だった……。
その子も面倒くさいというたった一つの言葉でねじ伏せられた同じ被害者だったが、自分の彼女との違いはあきらめていないという一つの執念ともいえる強い意志だった。
たまに彼のことについて情報が欲しいと言ってきてはメモを取っていたのを覚えている。
私にもできるだろうか、あきらめず気持ちを伝えるための努力を……。
「
「あ、待ってよ……優!」
学校への登校時間のあの日、とっさにでた幼児期の時に呼んでいたあだ名がとっさに出る。
何でもかんでも面倒くさいと言っていた当の本人の顔を見ると、その時はその言葉を言わず、懐かしそうな嬉しそうな笑顔でこちらを振り返った。
その時の笑顔を見て改めて思った、私は優ちゃんのことが異性として本当に心から好きなんだという事に……。
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