雨の合間と蝉の声
病院からの帰りバスから降りたら
強い風に髪を乱されて
雨は止んでいるけど
空気は、じっとりと湿気を含んで重い
それから蝉の声
最近、雨ばかりだったから
気が付かなかったけど
そうだよね、もうそんな季節
真夏の先触れのように
そういえば
雨の日に蝉は鳴かない
だから、こんな雨の合間に
時を惜しんで鳴くのだろうか
暫く歩いていると
ポツリ、と雨粒が落ちてきて
いつのまにか消えている蝉の声
足早に家へと急ぐわたし
蝉もわたしも
雨の合間を縫うように生きている
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