雨のさなか

雨は嫌いじゃないけど

こんな雨はいけない

心がジメジメを吸って

じっとりと重くなるようなのは


肌はピリピリと痛痒い

無意識に髪を掻きむしって

机にうつ伏せて聴く雨音

拭っても滲み出てくる汗


焦るなと自分に言い聞かせる

雨に濡れる紫陽花の美しさ

こんな時だからこそ

大好きなものを思おう


雨はいつかあがる


この雨さえも懐かしく

思い出す日がくるのだろう


この雨のさなかには

項垂うなだれていたとしても


きっと。

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