湯気のむこう

温かな食べ物は

何となくホッとさせられるね

学生時代のあの頃

まだ肌寒いような季節

お行儀悪いけどハフハフと息を吐いて

片手に持った湯気立つ肉まん

齧りながら帰る夜道


時を経て


部活帰りらしき学生の

手に持っている肉まん

ほわほわの湯気のむこう

笑顔と大きく開けた口に

思わず微笑んでしまう

確かに過ぎてきた時代を思い出す

頼りなかったけれど夢だけは沢山あった


思わず肉まんを、ひとつ

久しぶりに手にした温もりを

優しい気持ちと一緒に大切に抱えて帰る


立ち上る湯気と夜空を見ながら、ひとり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る