花は散っても

三月終わりの週

一足先に咲いた枝垂しだれ桜が

この雨でアスファルトの上に

薄紅色の花びらを散らしはじめて


咲いてしまえば美しくもはかな

それでも花は散っても桜は生きている

風に舞い落ちるそばから

若葉が顔を出しはじめ


爛漫らんまんの姿に人々は感嘆し

桜よ、桜よ、とでるけれど

華やかなその姿だけが

全てではないことを

わたしたちは知るのだ

緑の葉でつなげる

次の季節への伝言で


花は散っても終わりはしない

桜は桜、姿変われど

まだ生きている

生きていく

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