面影のひと

夢でなら

逢えはせぬかと

目を瞑る

まぶたの裏の

そのひとに

語りかけても

応答こたえなく

涙に滲む

面影は

揺らいで消えて

いくばかり


君よ君

愛しき君の

名を呼んで

独り切なく

泣き濡れる

夢の中でも

逢えもせず

後ろ姿を

見失い

たたずわれ

目を開ける


面影を

この胸だけに

仕舞いこみ

日々の暮らしへ

還り往く

君なき日々を

独り往く

面影のひと

忘れえぬひと


瞼閉じれば

笑顔だけ

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