家庭教師が来る。
今日は何も無い休日だったはずが――
「じゃあ行ってくるね。」
「行ってらっしゃーい」
「あ、今日家庭教師来るから昼くらいに、よろしくー」
ガチャ
え――
えぇー!家庭教師って家庭教師だよね?でもなんで?確かに成績は悪いし、勉強もどちらかというとできないし、でもどこでそんな人、でも前に高校生のアルバイトが来たって言ってたような――
まさか――
ピンポーン
インターホンが鳴り、画面から外を見るとそこには――
まるで少女漫画の中から出てきたかのような、美少年がいた。
私はそんな事考えながら玄関に向かった。本当にあんな人がこの世に存在したなんて――
ガチャ
私は玄関を開けていた。
「お邪魔します。」
「こんにちは!お兄さん何歳なんですか?」
そんな事をいいながらリビングに誘導した、リビングはそこまで狭くなく、一般的なリビングルームになっており、テレビの前に小さめのテーブル、そこから少し話したところにはソファーがあり、その後ろにダイニングテーブルが通路分空いて置いてある。決して狭食わないが少し問題が―――
それは――私が集めてきた『
が所狭しと置いてあるのだが――
「あ、あのー僕家庭教師して欲しいと言われて来たんですが……」
「そうですよね!ごめんなさい。今から部屋に案内し…」
案内しようと立とうとして机に手をついた時。
「あの、この部屋狭く感じません?」
「え?あ、はい…」
確かに狭い昔はもっと広かったのに――
「すみませんが、勉強の前にここ(リビング)過ごしやすくいじっていいですか?」
「いいですけど…」
彼は私が承諾したのを確認し作業に入った。
彼はまず縦に大きく積まれた本棚へ向かい何やら上を向いている。
この本棚は、天井ぴったりに入った(シンデレラフィット)もので上には見なくなった漫画などが入っている。彼はそれを難なく下ろし横に置いた。次々に棚を下ろしていき、全て下ろし終わったと思ったら1番下の棚を横に倒し、その上に棚を横に置いて重ねた当然中身は、全て入らないし棚だって余るはず――
なのに、余らなかった。横に重ねていき余った隙間に縦にした棚を入れ…縦に1列横に2列の棚ができた。入っていたものも全て入り、今まであった圧迫感は、無くなった。
「自分の身長より置くものを高くしちゃうと、圧迫感が生まれて部屋を狭く感じちゃうんですよ。」
額にかいた汗を拭きながらそんな言葉を私にいった。
「そ、そうなんですね…は、はは」
私は愛想笑いしか出しませんでした。
その後少し雑談して彼の名前や高校名、歳を聞き「もう遅いので…家庭教師なのに勉強教えられなくてごめん」と、いいながら帰っていった。
ガチャ
「ただいまー」
そう言って入ってきた母、リビングの本棚が変わっていることに驚く――
素振りは無くむしろ「やっぱり!」みたいな感じだった。
そんな事より…彼…また会いたいな…
完璧な彼女の原点――
それは母が突然招いた家庭教師だった――
そんな彼に少しの違和感と大きな恋の感情にモヤモヤしながら布団に入った。
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