みたいなものです

後何秒で配信されるのか、ドキドキとソワソワで気持ちは大暴走しそう。早く早くっ!って、思うのに中々配信されなくてお預け状態。


目の前にご馳走があるのに食らいつけない、そんな感覚。


「なぁ美音––––」


『ふぉっ!?』


ガチャ、とドアが開くと共に見慣れた顔がドアから覗く。思わず変な声が出たのは仕方なくない!?

母親にエッチ本見つかった様な心情なのは、こいつ、もといい私の部屋を勝手に開けた奴は家族、もっと言えば弟みたいなもので。


名前は達也たつや

正確には従兄弟になるんだけど、なにぶん家が近いからか互いの家の行き来が半端ない。


『ちょっ、ノックくらいしてよ』


「ん、ごめんごめん」


さりげに携帯は背後に隠す。勿論電源も切って。


『で、どしたの?今日家来るって聞いてなかったんだけど』


「あー、実はさ」


『ん?』



歯切れの悪い、達也。昔は私より背なんて小さかったのに、最近では‥‥てか、学生の時には既に身長なんて抜かれてた。むかつくわ、ずるい


社会人になると同時に、達也は髪を染めていた


金髪とかではなく、黒に近い赤色。緩く前髪を掻き上げる仕草は、多分、女性の皆様はメロメロ


まぁ、確かに学生の時からモテてはいたけどさ?達也は女の子といい感じになるより、同性と戯れてる方が好きだったのか、よく友達と馬鹿してて


それを私はオカズに‥‥こほん、妄想を楽しんでいたりいなかったり。エトセトラエトセトラ


「明日、日曜だろ?だからさ、」


『うん』


「明日、映画観に行かね?」



そう言ってきた達也の顔は、ほんのり赤かった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る