3-2

 そして、その時間も終わりが近づいたようで二人どちらからもなく立ち上がった時、ミイナが思い出したように、、

 「あ、明日時間ある?」

 振り返って颯は言う。

 「僕はいつも通り大丈夫ですが? どうしたんですか?」

 「明日、付き合ってくれない?」

 以前のような勘違いはもうしなかった。

 「どこにですか?」

 「冬の探検のための防寒具を売っている店があるんだ。 私もよくお世話になっているんだけど、ほら颯君、そういうの持ってないでしょ」

 そうか装備、当たり前であるが今のままでは寒さにやられてしまうだろう。ルイミに行くことだけに意識が取られていたため、今初めて颯はそこに気が付いた。

 「分かりました、集合場所はここでいいですか?」

 「うん、いつも通りバイクに乗っていくからここでいいよ」

 

 さらに翌日。

 約束した10時ころに公園のいつもの階段のところに行くとミイナは既に来ていた。おそらく颯が来る前に走っていたのだろう。ミイナが立ち上がって、颯の方に向かってくる。颯は会釈をしてそれに答える。

 いつも通り、颯は公園の入り口に置いてあるミイナのバイクの後ろに乗る。何回か乗っているからか、更に緊張が解けてきたように思う。

 バイクを走らせて、颯とミイナが初めて話した隣町のショッピングモールへとついた。どうやら、その防寒具を売っている店はこの中に入っているらしい。颯は何回もここへは来たことはあったが、興味がなかったのでそのような店があるということは知らなかった。と、颯が思っているとミイナは駐輪場の商店街用のスペースにバイクを止めた。

 商店街の方かと颯は思う。

 もともと商店街がこの地域にはあったが、再開発の影響でモールが後からできた経緯がある。

 そのような経緯からかモール側の敷地の一部がこのように商店街側の駐輪場のために譲渡されているらしい。

 ミイナについていき、商店街の方へと進んで行く。

 商店街のアーケードをくぐる。ある一角にその店はあった。店の看板などは掲げられてはいなかった。

 ミイナに続き店の中に入る。

 アウトドアや登山用の道具等が、広いとは言えないスペースの中に並べられている。客は颯たち以外にはいなかった。

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