2-14
最初に誘った時のようにあの明るい口調で「ルイミに興味ないの」ともう一度聞いてほしいのである。今までミイナ自身がやってきたように相手の都合も考えずにルイミに誘ってほしかったのである。だが今のミイナにそれを期待しても仕方がない。また颯は自分自身がルイミに行きたいと考えているので、待っているばかりで他人任せにしていてはいけないと考えた。自分から行きたいという意思を伝えることにした。
「僕がいたら迷惑ですか?」
「そうね、足手まといだわ」
ミイナは悲しそうに言う。
「僕はミイナさんとその人たちを見つけに行きたいです」
颯は正直に今の気持ちを伝える。
「ルイミはやっぱり危険、誘っておいてごめんだけど連れていくことはできないわ」
ミイナが頭を下げる。
「本当に僕と行きたくないんですか? それともただ危険だからですか?」
颯は勢いで言ってしまったが、我ながら恥ずかしい言葉だと思った。今の勢いが冷静になったらもう言うことはできない言葉だろうと思った。だからこそ今伝えておかなければならないとも思った。
「危険だからよ」
颯の視線から逃げるようにミイナが言う。
「それでも僕はあなたと行きたい」
なおも断り続けるミイナに対して少し大きな声になりながら颯は言う。ミイナはその声の大きさにビクッとなりながらも、颯の言葉に覚悟を決めたのか、しばらくの沈黙の後、
「わかったわ、ルイミに行きましょう」
颯はその言葉を聞いて本当にうれしかったし、ルイミに対する二人の思いが一緒になったと思った。
ミイナが言葉を続ける。
「じゃあ、また明日からトレーニングね」
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