第51話 AIに囲まれた世界~歓迎会①

『いやぁ、歓迎会だってなぁ。久しぶりに楽しめそうだなぁ。綺麗なねーちゃん来るのかなぁ?』

『ですねぇ?元さん楽しみですねぇ?』


『はい、大変お待たせ致しました。中華国際共有地の大統領のミハエル・ピーターです。この度は長旅お疲れ様でした。突然の事で戸惑っておられる方も多くいると感じておりますが、皆様もお気づきですが…現在、国際テロ組織(ICP)国際中央アジア独立平和組織が世界規模でテロを起こしております。独立という名目で破壊の限りをしております。その為に中国の崩壊により、荒地になってしまい国際テロ組織(ICP)からの独立を果たしたこの国を中華国際共有地として、国連組織の元、誰もが自由に貿易が出来る平和な国にする為に、300年の世界共有地として防衛の拠点として、アメリカ、インド、日本、フランス、イギリス、ドイツ、中華連合とともに国境をなくす取り組みをこの国で実現する為に動き出しました。その為、軍事施設を国連軍を立ち上げ防衛に力を入れて来ました。しかし、現実問題として、多国籍は文化も風習などあらゆる面で問題が起こりました。その為にあらゆる分野での教育が必要だと感じ、徴兵制で来て頂いた若者たちにハーバード大学での教育が必要だと感じ国際ハーバード大学語学学校を創立しました。しかしながら、徴兵制の元での教育は軍国主義を揶揄する世論や人権に問題が上がるとの世論が上がりました。結果として、必要最低限の防衛の為の初期レベルしか教える事が出来ません。とても残念な事はです。しかしながら、現実問題として、国際平和、国際復興支援を志ざす人材が足りないのが現実です。その為にはどうすれば平和な世の中になるのか?どうしたら、戦争がない世の中になるのか?と考えました。結論からして生活困窮者になってしまった人材を救済する事が私達にとっての使命と考え、国連を通して、人権救済の措置として、中華国際共有地に来て頂いたという事です。担当教諭よりお話はあったとは思いますが…ここに来る前にAIによる選別がありました。更正施設で更正する人材と勇気や希望、復興支援に力を注ぎ誰よりも相手の為に力を発揮する人材とに別けてここにおります。その為、ここにいる4000人の人達は世界を救うヒーローやヒロインになる為に来たのです。最初は更正施設として衣食住の確保を目的に連れて来られたかも知れませんが?』

『そうだよぉ。騙されて連れて来られて寮に入寮させられて監獄だと思ったよぉ。でもなぁ…今は正直有り難いよぉ。冷暖房は管理されていて、管理栄養士がいて、バランスの良い食事に温かい布団に贅沢三昧に映画をみたりと歓迎を受けたよぉ。その上、学校には無償で行けて制服やスーツなども用意されたら、『俺達がやってやる!』って気持ちになったよぉ。』

『有り難いです。私達も騙すつもりでここに来て頂いた訳ではございません。家族を持っていればここに連れていくわけにはいかないですし、復興支援は気持ちがなければなりません。是非ともここでの生活を通して復興支援、国際平和、国際交流を通して、再度、自国に戻った際は誇りと人間愛を得た新しい自分になれたら幸いです。では、お話が長くなりましたが、贅沢の限り楽しんで下さい。なお、色々な国から来ている為、最初に手渡されたバンドにより瞬時に翻訳されますので気になさらずにどんどん会話して仲間を作って下さいねぇ?』


『ふぅ、突然…連れて来られて、贅沢出来てもつまらないなぁ…』

『どうしたの?初めまして、こんにちは?私はモハメド・アリッサと言います。インドのカルカッタ出身何ですよぉ。私は今年で24ねぇ。あなたは?』

『僕は日本の松本?解るかなぁ…遠いところから来たんだ。諏訪 勝と言います。』

『日本人?とても素敵ねぇ?富士山、舞妓さん、雪が素敵ねぇ?とても平和な国ねぇ?』

『そうだけど…』

『あれぇ、諏訪さん元気ない?どうした?』

『僕は寂しいんだぁ。これまで、両親もいなくて施設に預けられていて、就職しても内気で、友達も出来ない。挙げ句の果てに勤めていた工場が閉鎖して、28歳でホームレスになってねぇ…まぁ、治安も良かったからたいていはNPOの簡易ベッドをかりて寝る事は出来ていたけど…最近はNPOも維持出来なくなっていて、簡易ベッドも借りれなくなって公園で寝泊まりしていたら、ここに連れて来られたんだぁ…』

『それは大変ねぇ?よく頑張った。偉いねぇ…』

『ところで、アリッサは?なぜここに来たのぉ?』

『私はストリートチルドレンで諏訪さんと同じで両親はいないねぇ。でも、ストリートチルドレンになってたくさんの友達、家族が出来た。ここに来て平和を感じた。明るくなった。毎日ご飯食べれる。有り難い。うれしい。勉強が出来るのはとてもうれしい。だから、ここは幸せ。』

『そうなんだぁ。ところでストリートチルドレンって…?』

『毎日ホームレスねぇ。食べるものない。小さい時からねぇ。目の前、友人殺さる。常に怖いねぇ。安心に寝れないねぇ。テロ頻繁ねぇ…あぁ、ゴメンネ。』

『そうだっただぁ。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…』

『おぉ!諏訪さん大丈夫?泣かないで…手を握るねぇ…温かい。温もり、平和ねぇ。諏訪さん逢えて幸せねぇ。』

『有り難う。少し落ち着いたよぉ。』

『もう、ビックリしたよぉ。お腹すいたねぇ?諏訪さんこれは何?』

『あぁ、これは寿司だよぉ。』

『寿司?』

『そっか知らないのかぁ…ライスにお魚。とても美味しい。醤油つける。』

『おぉ!美味しいねぇ…始めて食べた。日本、食事、最高ねぇ。』

『おい、おい、アリッサ。なぜ泣く?』

『辛い…』

『あぁ、そっかわさびねぇ?』

『はい、お水。ゴメンネ。わさびは辛い。』 

『マサは悪い人ねぇ…』

『あぁ、ゴメン、ごめんなさい。この通り。』

『マサ、優しい。でも、ごめん言わない。言い過ぎ。辛くなる。』

『そうだねぇ…昔から人の顔色伺っていたなぁ。つい、癖で謝る事になれていたのかもなぁ。』

『ほらぁ、マサ、こっちに来て。インド、カレーねぇ?カレーは毎日食べる。あきないねぇ。』

『えぇ?すごい数だなぁ。』

『どれも美味しい。これ、おすすめねぇ。』

『えぇ、辛くない。ココナッツミルクと香辛料のバランスが最高だなぁ。』

『でしょ?私達、友達ねぇ?』

『そうだねぇ…アリッサとは始めて友達になれる気がするなぁ。』

『私も、マサはたくましくなる。優しさ、人の為になる。見てみたい。』

『そうだねぇ。頑張ってみるよぉ。』

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