第八章〜新しい時代がやってきた!

第45話 AIに囲まれた世界~いよいよ、始まった。

『先輩、今日のニュース見ましたかぁ?』

『あぁ、見たよぉ。』

『ありえます?ホームレスが一斉に収容されて、軍需産業に労働者として派遣されるらしいですよぉ。これまで生活困窮者自立支援法や生活保護制度があり、個人の尊厳により職業選択の自由が保証されていたのに…。どうして何ですかぁ!いったいこの国は誰が守ってくれるのですか!!この数年の国の政策はめちゃくちゃですよぉ。』  

『確かになぁ。とはいえ、振り返れば、200年以上前からこの国が選んだ事なんだよぉ。コロナウイルスが蔓延した、遠い、遠い、昔から始まるんだよぉ。まずは、コロナウイルスが蔓延して、エッセンシャルワーカーとして、医療や介護などを除いては行動自粛から始まり2ヶ月間の自宅待機が政府から出された。もちろん、その間は海外への出国も入国も制限された。その間に世間では契約社員は解雇になり、日雇い労働者はホームレスになり、倒産した企業が増え経済は悪化した。

しかし、コロナ対策に政府は追われ、生活困窮や自殺問題には手を差し伸べる事が出来なかった。

確か、東京オリンピックの年だった事もあり、前年度に予算を回しており、回収する事を念頭にオリンピック景気になるはずが結果としてコロナ対策に追われしまった。

2ヶ月の自粛規制により、経済は悪化した為、自粛規制を解除してから経済を取り戻す為にリモートワークは継続しながら、都内には活気が戻って来ていた。

しかし、以前にもコロナ感染者は増え続け、オリンピックは延期になり、甲子園は1試合だけの交流試合のみになった。

そんな時に、10万円が国民に配られ、飲食店に月30万円が配られた。

しかし、2ヶ月の自宅待機が解除になった途端にエッセンシャルワーカー以外ははめを外して飲みや遊びに行く人が増えた。

解除後に1度は落ち着いたコロナウイルス感染症はさらに増え続けた。

政府は一生懸命に自主規制を呼びかけたが、だめだった。

経済を優先にした結果、コロナウイルス感染症は増え続け、結果、オリンピックは中止になり、都内で始めてのロックダウンが決行されてしまった。

しかし、コロナウイルス感染症はさらに別のウイルスとなり、致死率を上げて再び蔓延した。

その後は南海トラフ地震や富士山噴火、首都直下地震、台風の被害などにより経済は破綻してしまった。

今は社会保障も破綻しつつある中では、難しい現実もあるからなぁ。それにこの国の地域では争いが耐えない現実もあり、アメリカによる防衛も難しいからなぁ。防衛に力を入れない訳にもいかないからなぁ。それに世界のトップのインドは雇用は受け入れるが必要な企業をまるごと引き受けるのが原則で防衛には自国の努力なしでは動かない事も明言しているしなぁ。ホームレスの問題は自国任せだから介入出来ないよぉ。』

『そうだけど…あれから200年も前になるんだから元に戻さなきゃ!』

『そうだけど…この先の未来が運命なら止められないよぉ。これからが暗黒な時代になるのだから…』

『どういう事ですか?未来を見てきたような言い方ですよねぇ?』

『未来?だと良いけど…明日の事さえ解らないのに…そんな事はないって…』

『ですよねぇ?確かに暗黒な時代にならなければ良いですけど…』

臨時ニュースです。

『ただいま、ネオ東京に地下からたくさんの人々が地上に出て来ました。これだけの人間がいたとは知りませんでしたが?どういう事何でしょうか?』

『あのぅ?何処から出てきたのですか?』

『はぁ?知らねぇ~のかよ?地下からに決まっているだろうが…俺達は100年以上もの間、いやぁ、もっともっと前から地下に隔離されていたのさぁ!』

『どういう事ですか?』

『えぇ!マジかぁ…知らないのかぁ…。これまで、世間ではゴミ扱いだった生活困窮などは秘密裏に沖縄や北海道の施設に入れられていたのは知っているだろう?』

『まぁ、それは何となく聞いておりますが…』

『実はなぁ…そこから、地下にあるフリーダムシティネオ東京に隔離されたのさぁ!知らなかったのかぁ!!』

『という事は…そこから抜け出したという事ですか?』

『そうだよぉ。そこにはたくさんの人々がフリーダムを求めて地下に集まった。でもなぁ、そこは自由な変わりに秩序も人権もありやしねぇ。マリファナを吸いたければ吸えるし、セックスしたければ欲望なままに出来る。それに毎月、金が振り込まれる。

土日は定休日で遊びつくした。意味もなく喧嘩したり酒を飲んだり、ギャンブルをしたさぁ。でもなぁ…狭い空間にいたら外に出たくなったのさぁ!確かに、この国と同じぐらいの広さがあっても人工的に作られた太陽があっても、海がない。俺達は海が見たくなった。』

『マジかぁ。フリーダムネオ東京が崩壊したのかぁ…』

『えぇ?どういう事ですか…もしかして?』

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