第44話 AIに囲まれた世界~グラミンバンクって…
『先輩、さっきは満天堂の社長と何の話をしていたんですか?』
『あぁ、実はグラミンバンクについての話だよぉ。この国も昔は先進国だったけど…今では発展途上国になってしまった。コロナウイルスによる千葉県と神奈川県の閉鎖、首都直下地震、南海トラフ大地震、富士山噴火、東京湾津波による東京23区の水没による首都移転、九州・沖縄におけるマラリアとデング熱の流行などがこの200年の間に起こり経済優先にした結果、人命までも救う事が出来なくなった。その後は放射能のテロによる東京の閉鎖によりネオ東京の首都が調布になったよなぁ。
国際的には中国とアメリカの戦争が起きて小型の核ミサイルによる地域封鎖があちこちで起きてしまった。その後は中国は分断して、小さな国が独立して争いが絶えなくなった。そして、それを解決したインドが世界の中心として、アメリカや中国を抑えてトップになった。
情けない話だが、日本はアメリカの傘の下にいた事もあり、核ミサイルを使用したアメリカと同罪と世論が上がり経済は衰退してしまった。今は、先進国から発展途上国になってしまったけど…戦後の日本に戻ったと思えば案外、上手くいくと思うのさぁ。そのきっかけとして、バングラデシュは発展途上国だった頃にグラミンバンクがインドではSEWA銀行が発展した事によって1日1ドル以下の生活から抜け出す事が出来たのさぁ。まだまだ、1日2ドル以下の生活をしている人達が30億人以上いるからその仲間入りに入ったに過ぎないけどなぁ。』
『なるほどねぇ。それにしても、そんなに生活困窮の人がいるんですか?』
『そりゃそうさぁ。人口が今では100億人以上になってしまったけど…約50億人以上が1日2ドル以下で生活している。さっきの話は1日2ドル以下で生活している人の話で1日1ドル以下が15億人、飢餓状態が10億人以上いるのが現実なんだよぉ。知っていたかい?つまり、そこに1日2ドル以下で生活している30億人を足したら?55億人以上だなぁ…』
『そうなんだぁ…。この国も1日1ドル以下で生活している人がいるんだぁ…。あんまり、感じないけど…。』
『そりゃそうさ。この国は社会保障があるから気がつかないのさぁ。衣食住の住居が無料、食事はパンや米、味噌汁、スープは無料、学費は大学まで免除となり、AIによる選別による就職斡旋、しかし失業したら住居からは追い出されるからなぁ。もちろん、すべてのサービスはなくなる。その結果、最近ではホームレスが多くなって、強制収容所が出来ているよなぁ。必然的にこの国を防衛する為の軍隊になるシステムを作り上げたのさぁ。』
『なるほど…確かに、徴兵制があっても、わざわざ軍隊にはならないからなぁ。』
『そりゃそうさ。これだけ周辺の国が争いをしていれば軍隊にはなりたくないって…』
『でもなんで、この国は福祉国家になったのにも関わらず発展途上国になったのぉ?AIによる選別により、誰もが大学まで無償になって、失業してもベーシックインカムで収入も一時的に安定したでしょ?』
『確かに、福祉国家ではあるが…本当に生活困窮になった人達はどうなった?介護保険は廃止、年金制度は崩壊、生活保護も廃止になったよなぁ?それに南海トラフ大地震や首都直下地震や富士山噴火は人工的な災害だという事は知らないよなぁ?それに加え、コロナウイルスやマラリアやデング熱の流行や熱帯魚がうようよしているのは不思議に感じないかぁ?』
『確かに、不思議だけど…。もしかしてそれも!』
『そうだよぉ。実はなぁ。第2のアメリカを作る為に計画的に政策された国家プロジェクトなんだよぉ。アメリカは軍需産業に関わっている企業はどのぐらいあるか?知っているかい?』
『知らないなぁ…。』
『実はなぁ。約7割の人が関わっているのが現実なんだよぉ。』
『という事は?』
『そうだよぉ。AIによる選別や大学無償化の実態は…有能な人材を育成する幹部を育てて、富裕層に還元するシステムを作る事さぁ。だからこそ、衰退する分野の速度を上げて失業者を振り分けているのさぁ。それに加え、アンドロイドがどんどん進化してアンドロイドと人間の第2の生命体がこの国を発展させる為に、無能な人間を抹殺する計画が実行されようとしている。その為に…軍需産業に関わる人材をホームレスから育てる事を始めているのさぁ。もちろん、軍需産業でも無能な人間は必然的に軍隊になる流れだけどなぁ。』
『えぇ?どうしてそんな事を知っているのですか?』
『これ以上は伝えられないなぁ…。これを見ていてねぇ?』
『はい。ピカァ。』
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