第42話 AIに囲まれた世界~満天堂が世界を救うって?

『これより、満天堂社長、本城寺 司(48)よりご挨拶がございます。』

『この度は海外から多くの企業様ならびに社会福祉に携わる方々、医療関係など幅広い方々から応援ならびにご鞭撻を頂き誠にありがとうございました。又、マスコミ、メディアなど幅広い情報発信により世界に多くの施設(高齢・児童・母子・生活困窮など)の分野で国際福祉開発に力を注ぐ事が出来ました。改めて、この場をかりて深く感謝致します。今回、高齢者福祉の施設の成功例と『自己生産と可能性を結ぶ』の本をぜひ持ち帰って頂ければと思います。』

『えぇ!本を買うんですか?』

『そりゃ、本を買ってもノウハウは欲しいと思うよぉ。なかなか、この分野で利益を出す手腕は出来ないって…でも、可能にした本城寺 司はすごいって…』

『そう何ですか…変な宗教の教祖みたいに感じますけど…』


『では、これより、満天堂の成り立ちについてご紹介の動画を流しますので…』

『今、この世界は世界的な災害に見舞われ、経済格差も多く、地域による貧富の差もございます。しかしどうでしょうか?富を得たら幸せでしょうか?富を得たらもっと富を得たくなり、その一方で身内に対して優しくなれてますか?寧ろ身内に対しては優しくなれてないのが現状です。病気や介護が必要になれば在宅で生活する身内に対してヘルパーを派遣したり、ショートスティなどに預けてしまいます。生きているのにも関わらずに、内心ではゴミ扱いです。本音は自分の時間を犠牲に他人の為に使いたくないのが本音です。何故って?生活するのがやっと何です。休みは休みたいのです。しかし、母子家庭はもっと最悪です。子供の為に必死です。それは自分の血が流れているからです。その為に…無理をします。しかし、たいていは正職員にはなれません。子供の為に、突然、休まなければなりません。その為、時間に融通がきくパートをやります。しかし、パートは一つでは生活出来ない。だからダブルワークして生活を支えます。正直、馬鹿です。自分1人でさえも満足に生活出来ない低能な人種に限って、性欲を抑えきれません。子供の事は二の次で性格の不一致で離婚するって…あり得ないのである。』

『最悪じゃないですか?この出だし…見るに耐えらそうにないんですけど…』

『逃げるなぁ。今まで、この問題に直視しなかった結果が財政破綻になった事を忘れていないかぁ?厳しい事は言っているけど間違ってはいないだろう?』

『まぁ、そうですねぇ。』

『次に、障害者に関してはどうだろうか?養護学校が特別支援学校に名前が変わったのは知っているだろうが…『特別に支援?』何ですか?寧ろ差別をしていないかい?支援で良いでしょ?事実なんだから?寧ろ、無理に頑張らないで依存すれば良い?

でもなぁ、『地域共生社会』を考えて福祉を変えた結果どうなった?障害者雇用率を企業に押し付けた。障害者を雇用して下さい。雇用しなければお金を払って下さい。はぁ?雇用したら、国から助成金を半分払います。障害者は物かい?あり得ないだろう?でも、本音はいらないのが本音だぁ。

出来れば、綺麗なおねいちゃんやイケメンと仕事がしたいのが本音だろう。違うかい?

それに、セクハラ、パワハラなどのハラスメントなど…違うストレスも発生している。

これは、企業が従業員を雇用しているのではなく雇用される為に集まったにすぎない。解りやすく言うと砂糖の山に群がる蟻だなぁ。もしも、砂糖でなくて身内や親友が怪我していたら?逆に家だったらどうなる?一生、働こうとか…住みたくならないかい?

そう、年功序列制度が良いという事だなぁ。』

『年功序列制度はそんなに良かったのですか?』

『まぁ、家庭を守るのは母親の役目で父親が仕事人間になるような社会にはなるが家庭での収入は安定するけど…母親のストレスはキッチンドラッカーなどの問題や浮気問題などが社会問題になったなぁ。』

『なるほどねぇ。』

『しかし、年功序列が良い部分もあるが堅物な人種をうむのも問題になる。そして何よりも若い人の話を聞き入れずに発展しなくなる。その結果、年功序列は廃止され、男女均等雇用法により、女性が社会進出して、男性の地位が衰退した。そして、晩婚化による少子高齢化問題になった。結果、農耕民族が遊牧民族のような社会になった。つまり、年功序列と男女均等雇用法を解決する手立ては両方の良い部分を得る企業が発展するのである。』

『確かにそうかもなぁ。』

『では、その問題を具体的に解決する企業になる為に、満天堂の成り立ちをお伝え致します。』

『えぇ?これまでは、成り立ちを紹介する前の序章って…あり得ないなぁ。』

『そうだなぁ。これで30分以上経過してるなぁ。』

『まずは満天堂は小さなグループホームからスタートしました。最初は、認知症の高齢者が家族の介護の限界を抱えて私達に助けを求めてきたのが最初になります。当時は、認知症の薬も開発されておらずに大変な日々を送っておりました。まずは帰宅願望との格闘です。最初は、理由を聞くことから始めると『息子が帰って来る。』『ご飯を作らなきゃならない。』『銀行に行って支払いがある。』など。理由を聞くことにより、対策をしました。息子さんの情報を得て、AIに登録してアンドロイドを動かしたり、誰の為にご飯を作るのかなどの情報をもとに一緒にご飯を作ったり、銀行に支払いに行く想定でバーチャルリアリティによる銀行振込などを実践しました。その後は認知症だという事さえ忘れるほどに回復し、認知症の改善する薬が開発されグループホームの元利用者たちと一緒に満天堂を創立致しました。』

『なるほどねぇ…家族以上の絆があるのは強みですねぇ?先輩?あれぇ、どうしたのですか?』

『解るなぁ…。認知症の初期症状にもあるけど…帰宅願望や物取られなどがあるけど…大変だよぉ。一番信頼しなければならない身内が犯人扱いされたり、身内の顔さえ忘れるからなぁ…。』

『その後、利用者には介護度に応じて役割と自信を付けながら少ないお金を収入として与えました。その後、仲間意識やコミニュティーが生まれ、色々なアイデアを実現するサポートをしました。それにより、たくさんの収入を増やし、新しい事業が生まれました。高齢者の為の作業所です。』

『なるほどねぇ…高齢者の為の作業所ねぇ。介護予防には最適な施設だなぁ。65才からの雇用は厳しい世の中だからなぁ。たいていは、清掃などが大半で介護が必要になってからのデーサービスで地域に溶け込むのが実態だからなぁ。それにボランティア活動を行うのもたいていは施設に入りやすくする為にやっていたりするからなぁ。』

『確かになぁ。高齢者の作業所なら再就職出来て事業として独立出来ればやりがいも出ますねぇ?』

『その後は、高齢者A型、高齢者B型と分けましたがあくまでも高齢者A型に移行し最低賃金を稼げるようにする為です。ちなみに、高齢者B型の施設では衣食住は無料です。高齢者A型ではネットショップの事業で高齢者がアイデアを出した作品を販売する事をモットーとしております。介護施設に関しては介護が必要であっても出来る範囲で仕事をして頂いており、工賃を提供し、外出や旅行を行っております。あぁ、寝たきりの利用者に関してのお仕事に関しては朝食に提供しております漬物の測りなどをして頂いております。ご家族様と本人には承諾を頂いております。』

『なるほどねぇ。確かに、お仕事ではあるなぁ。』

『常に、個人の尊厳を念頭に入れながら、ご利用者様がグループで意見を交わしながら企画を実行し、利益を出したに過ぎませんが、そこに資金を提供しバックアップする事が私達の使命と考えております。この度はご視聴頂き誠に有難うございました。』

『あのぅ?この後、お時間はありますか?社長の本城寺 司より、お逢いしたいとの事ですが?』

『えぇ?本城寺 司、社長ですか?私は初めてお逢いしますが…』

『逢えば解りますから…』

『はい、解りました。大丈夫ですが…』

『では、後ほど』

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