第33話 AIに囲まれた世界〜修学旅行…

『先輩、おはようございます。いとこが修学旅行から帰って来ましたよぉ。』 

『そうなんだぁ?どうだった?』

『それがすごいですよぉ。』

『えぇ、何がすごいのぉ?』

『最近は、少子高齢化社会でしょ?今は公立の中学校も大学までエスカレーターで進学する時代で学費も無料だから、修学旅行も豪華なんですよぉ。とにかく、インドは経済、文化、あらゆる分野で最先端なんですよぉ。1番驚いたのが東京都23区が海の中に沈んで、唯一残ったお台場やスカイツリーの街がインドの技術で再現された新東京23区があるんですよぉ?なおかつ、まだ東京23区は海の底でなおかつ、立ち入り禁止になっているのに…すごくないですか?』

『えぇ?すごいなぁ!どうしてそんな再現が出来るのぉ?』

『何でも、100年前の膨大なデータでも1分程で再生し緻密に建造して、そこを通りかかった人や仕事をしていた人をアンドロイドで再現したみたい。』

『えぇ!すごいなぁ。』

『もちろん建造物が残っていたり、死ぬ前にデータを残す事が出来ればAIの技術で再現出来るらしいわぁ…』

『そうなんだ。何か複雑な感じがするけどなぁ…』

『ですねぇ…それに死んだ人がそこではアンドロイドとして生活してますよぉ。それに立ち入り禁止の場所が再現されているのはねぇ?』

『しかし、今は立ち入り禁止の場所が増えた事により、需要が増えたビジネスみたいだからなぁ?』

『ですねぇ。震災や洪水、コロナウイルス、放射能と復興までに時間がかかるなら場所を変えても同じような生活がしたいですからねぇ?それに一緒に生活していた人に逢えるのも魅力みたいですよぉ。』

『そうだねぇ…。でも、人は亡くなった人を記憶におさめて新しい人生を歩んでもらいたいけどなぁ。』

『ですねぇ…。でも、好きになったら私は死んでも会いに来て欲しいなぁ。逢える場所があれば少しだけ寂しさは和らぐと思うなぁ。』

『そっか?逆に依存してしまうと思うなぁ。だから、アンドロイドと結婚する人が増えたのでは?』

『確かに…最近は、異性と結婚してもアンドロイドっておかしな現実もありますねぇ?』

『だろう?だから、あまりにもリアルすぎるのも問題じゃないかなぁ?』

『ですねぇ。』

『あぁ、そういえば、最近は新しく建物を建てるにもかなり厳しい条件がかせられているし、新しい文化もAIに管理されているなぁ…』 

『そうですねぇ。新しい街や新しい文化が栄えればもっと栄えれるのになぁ…残念だなぁ。』

『ところで、修学旅行ではインドらしい食べ物や文化には触れたかい?』

『あぁ、ガンジス河とタージ・マハルとアグラ城に行って来たみたいですよぉ。聖なる河のガンジス河やタージ・マハルやアグラ城は時代が変わっても素敵だったみたい。インドは昼夜問わずにカレーが出たみたい。』

『そうなんだぁ。やっぱり、カレーかぁ。でも、良かったよぉ。それを聞けただけでも、ホッとしたよぉ。』

『ですよねぇ?修学旅行がインドだと不思議な気持ちですけど…私は新婚旅行で行きたいかなぁ?』

『ブホォ。』

『もしかして、気になります?』

『…』

『もう、冗談ですよぉ。』

『あぁ、ところで、今日はどんな案件が入っているのかなぁ?』

『今日は、ゲーム依存症で学校に行かずに部屋に閉じこもっており学校に行かなくなったのでどうにかして欲しいとの依頼ですが…』

『なるほど…。早速、行ってみよう。』

『そうですねぇ?』

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