第25話 AIに囲まれた世界〜仮設住宅では
『色々なレンタル先が増えてきたなぁ。富裕層が増え始めたみたいだなぁ。それにしても、今日は誰も来ないけど…どうしたのかなぁ?おかしいなぁ?先輩に電話してみよう。プル、プルル…』
『もしもし、米山ですけど…』
『先輩、事務所に誰も来ないのですが?』
『三村さん、先週、伝えておいたけど、念の為に、予定表にも記載したけど…忘れたか?』
『えぇ?何かありましたか?』
『おいおい、今日は先月から台風の影響で仮設住宅に住んでいる人の為の『住民懇親会〜みんなの手を広げよう!』(グループワーク)』の日だぞぉ?』
『えぇ?そうでしたかぁ?すいません、今から迎います。』
『良かったよぉ。住民懇親会は1時間後にしておいて…ゆっくりと来てくれて大丈夫だからねぇ?あぁ、そうそう、最近は物騒な世の中だから、鍵をしっかりとかけて来るんだよぉ。では、待ってます。』
『それにしても、最近は仮設住宅に入るのも大変になったなぁ。AIによる選別があるからなぁ。元富裕層は再建する力があると言われ全てを失ったら、100万円渡されてホームレスになるし、雇われている人も仕事といえばデリバリースタッフやリモートスタッフ、介護、医療職だからなぁ。でも、逆に障害者は優遇されているなぁ。今では、仮設住宅ではなく仮設マンションに優遇措置だからなぁ。といいながら、富裕層で1度でも成功をおさめるとAIは富裕層として扱うから困るなぁ。それに、障害者から健常者になったら同じ扱いだからなぁ。どっちが良いのか?』
『お待たせ致しました。』
『お疲れ様。この仮設住宅には70人近くいるけど…今日は15人程集まる予定だぁ。』
『あれぇ、仮設住宅には、家族と独身者に別れているんですか?』
『そうだなぁ。AIの選別で可能になったみたいだからなぁ。』
『えぇ、これが仮設住宅ですか?仮設と言いながら、ここで充分住めますよねぇ?』
『そうだなぁ…最近は3Dプリンターの技術も進んで、内装も外装も3Dプリンターのシステムにデータを入れておけば、土地があれば1時間もあれば家が出来るからなぁ?』
『ですよねぇ?最近では5階建てのマンションなら3時間で完成ですからねぇ?解体なら10分ですからねぇ?便利な世の中になりましたよねぇ?』
『そうだけど…現場の大工などは死活問題になってしまったなぁ…残っているのは宮大工ぐらいだからなぁ。』
『でも、システムキッチンなどの需要はすごいですよねぇ?』
『そうだなぁ…皮肉なもので土地や建物の値段などは安くなったけど…最近は空間に家を建てるのが流行だからなぁ。しかし、空間の土地が売れる世の中になるとはなぁ。まぁ、富裕層が考えるのは理解に苦しむなぁ。』
『ですよねぇ?昔はお台場あたりに高層マンションがありましたけど…コロナウイルスと放射能汚染で立入禁止ですから、負の遺産として残っているみたいですよねぇ?』
『見てみたいなぁ。昔、軍艦島を見に行った事があるけど…感動したなぁ。お台場の高層マンションや遊園地やテレビ局もあるみたいだけど…』
『まさか?あるわけないわよぉ!100年近く封鎖されているから、誰も見た事がないらしわよぉ。』
『まぁ、信じるか?信じないか?は自由だからなぁ。都市伝説にしては有名らしいけど…』
『はい、はい、はい、そうかもねぇ?』
『あぁ、そうそう、仮設住宅は立派だけどここをスタートに頑張る人は別のエリアに振り分けわけられるし、怠けたらもちろん別のエリアに振り分けられるらしいよぉ。』
『それって、残酷ではないですか?』
『確かに、そうかも知れないけど…その発端はマイナンバー制度に始まったんだよぉ。コロナウイルスの感染症によって、自主規制、ロックダウンになり、家庭内の金銭問題が上がり、国からお金を頂いたのは事実だからなぁ。その結果、AIに管理される世の中を作り上げたのは人間ではないかなぁ?しかし、もう手遅れなんだぁ。生まれた時にすでにAIに管理されるように、マイクロチップが埋め込まれており、その大きさは肉眼では見えない。なおかつ、おでこにはバーコードが見えないインクで刻まれている。』
『そうねぇ…私達もAIに管理されているからなぁ。』
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