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    ポリゴナルライフリングは確かに良さそう。
    特に生産性が良いよね。
    普通にライフリング刻むとなると出来るとしても職人が一本ずつ削る事になると思うのですがこれならそこまで手間はかからない、と言うか心棒を変えるだけなので生産性が落ちないと思うのですよ。
    そう言えばブランズウィック銃とか言うのもありましたね。
    土星みたいな形の弾を撃つやつ。
    普通のライフリングよりはまだあれの方が実現性有りそうだけど、やっぱりポリゴナルライフリングが一番良さそうかな?

    前の感想で言われてるファイアピストンでの着火なのですが、実は似たようなのがありまして。
    無撃針信管、もしくは空気信管と呼ばれるものなのですが、これは砲弾の信管として使われたもので断熱圧縮を利用して爆薬に着火していたようです。
    銃本体に使われてる訳じゃないけど口径12.7mmの砲弾の信管なのでそこまで大きくないんじゃないかな?
    銅の中空円筒をハンマーで叩き潰すような形にすれば案外行けるかもしれないですね。
    パーカッションキャップみたいに使い捨てる感じで。
    ただまぁ、間違いなく雷コウより大きくなるので薬莢に使うのは無理でしょうね。
    発展性を考えればやっぱり雷コウかなぁ。
    あるいは100円ライターみたいに電気発火式とか。
    圧電体はロッシェル塩が多分山葡萄から作れるのでパチッとやって着火。
    まぁ、黒色火薬や褐色火薬にライターの発火装置で火がつくかは解らないですが。
    あと、電極も一回で使えなくなりそう。


  • 編集済

    実に興味深く読ませていただきました。
    しかしいくつか実現不可能と思われる部分についてご意見を伺いたく存じます。

    ①「二重巻張り法で芯金に捻った八角形の鉄棒を使う」

    二重巻張り法では芯金は熱間鍛造の途中で抜かれるものと理解しています。
    円柱状ならば抜くのは簡単ですが、多角形を捩じったチュロスのような形の芯金は熱間鍛造中に果たして抜けるものなのでしょうか?
    素人目には不可能に思えます。

    まだ和製ヤーゲル銃のようにタガネ彫り(=手動切削でライフリングを削る)のほうが現実味があると感じます。
    実際に幕末日本は手作業でゲベール銃にライフリングを施して和製ヤーゲル銃に改造していたわけですし、現在も違法コピーのカラシニコフは手作業でライフリングが削られています。
    あるいは口径よりも少しだけ対角線の長い立方体をねじってドリル状にした金属棒を筒内にハンマーで無理やり押し込む事を繰り返してもライフリングは実現可能です。
    上層部がライフリングの必要性と有用性を理解さえできれば、地道なライフリング作業は人海戦術で実現可能です。
    しかしライフルはライフリングを削ればすぐ実現できるというものではありません。
    実現が難しい理由は、下記の通りです。

    まず熱間鍛造は加工中の熱膨張により寸法にばらつきが出てしまいます。
    ミニエー弾が溝と底金のおかげで膨張するとはいえ、無制限に口径の差を無視できるわけではありません。
    前装式ライフル銃はギリギリまで銃の口径に近いものでなければ効果を発揮しない、もしくは装填すらできないからです。
    ミニエー銃の口径は0.58インチ(14.732ミリ)の規格でしたが、実際には0.575(14.605ミリ)~0.585(14.859ミリ)インチ程度の銃身内径の個体差が存在します。
    逆をいえば、ミニエー銃に許される口径の振れ幅は0.13ミリ程度ということです。
    この個体差ですら、集弾率に影響を与えてしまう事を考えると、手作業での熱間鍛造でライフルバレルを作るのは厳しいのではないかと感じます。

    なお現代の技術でも、熱間鍛造は精密な成形は不向きであるとされており、主に複雑形状や大型部品の成形に利用されています。
    丸型鉛弾が入りさえすれば多少の誤差を許容する火縄銃の口径は、かなりの振れ幅を許容しますが、ライフル弾はそれほど単純なものではありません。
    特に前装式ライフル銃は前述の通りバレル口径の規格がシビアであるため、大量生産にはバレルの精密な規格統一が必要になります。
    当時の技術力では、手作業で銃の口径をそろえることは不可能と言っていいでしょう。

    そうなると対策としてはミニエー弾の大きさを調整するしかありませんが、そこにも難があります。
    「単純かつ大きさにそれほど制約のない鉛玉」であれば、工廠で一括生産が可能ですが、
    「各銃ごとに口径の異なる銃弾」を大量供給するのはあまりにも手間がかかりすぎるからです。
    弾の鋳造時の「バリ」をやすりで削り、弾底にコルクか金属を詰めてバレルにギリギリ通ることを確認する作業が必要になるはずです。
    場合によっては再鋳造もする必要がありますし、そもそも単純な鉛玉よりも長時間の鋳造時間や燃料が必要にもなります。
    さらに言えば紙製薬莢や後述のパーカッションロックのための雷管および雷汞の用意も必要になります。
    ミニエー弾の自作はアメリカでは立派な工作趣味として成り立っていますので、個人で作成することも不可能ではないのでしょうが、工廠での大量生産はやはり厳しいでしょう。
    ライフル銃を兵士全員が私弁し、銃弾を全員が自作するような場合はその限りではないかもしれませんが、戦国時代は兵士個人が高価な銃を持てるほど豊かではないのです。
    ※なおアメリカではそのような市民兵士を「ミニットマン」と呼びます。

    上記の理由からライフルの少量生産は不可能ではないものの、大量生産は不可能であるという結論に至ります。
    産業革命による工業化によって生産物が規格化されたからこそ、口径が統一されたライフルは誕生したのです。
    決して手作業で作れないものではないものの、戦争の在り方を変えるレベルで量産することは不可能といっていいでしょう。
    ちなみに日本では弾底に詰めるコルク樫が手に入らないのですが、広く自生するコルククヌギ(アベマキ)で木栓を代用することが可能と思われます。

    ②「パーカッションロック式の前装式ライフルが限界だろうということにとなりました。なので弾薬も紙製薬莢のミニエー弾になります。」

    先述の口径と弾丸のサイズ問題は置いておくとして、ミニエー弾+紙製薬莢は技術的には問題なく実装できると思われます。
    むしろ初期の後装式ライフルは鉛製の弾丸が直接ライフリングに摩擦してしまうため、摩擦熱で鉛がライフリングに付着してしまうという問題がありました。
    このため、鉛の弾丸を使うという制約の限りにおいては紙製薬莢が正解と言えるでしょう。

    ただ紙製薬莢はそれ自体に発火装置があるわけではないので、なにかしらの雷管および雷汞は必要です。
    雷管に詰めた雷汞を安定的に運用するためにはアラビアゴムのような多糖類で包む(=ピルロック)必要があり、そこがネックになると思われます。
    日本には天然ゴムの素材となる樹木が育たないからです。
    そのうえであえて日本でアラビアゴムの代替となる多糖類を探すとしたら、「桃膠」と呼ばれる桃から得られる天然ゴムが挙げられるでしょう。
    桃膠は「桃の花の涙」と称される貴重な漢方ですので、樹木から大量に得ることはできませんが、桃の樹は成長が早いので、大量生産の可能性はあると思います。
    雷管に使用する雷汞はしょせん着火剤でしかなく、大量に必要なものではありません。

    なお、ピルロックを使用しない生の雷汞を使うセントボトル・ロックであれば雷管もアラビアゴムもなしで無条件で実現可能です。
    しかし前述のとおり雷汞の化学的不安定さから、実用に耐えないと思われます。
    実際に幕末に雷汞と雷管を国産しようとした尾張藩の吉雄常三は実験中に暴発により命を落としています。

    ドライゼ銃のような自己充足式の紙製薬莢(弾丸+火薬+雷管をセットした紙製薬莢)を撃針で叩いて着火させる方式は、
    前装式ライフルの場合は「雷管セットする手間を省く」のみしかメリットがありませんので、歯で紙を食い破って火薬と弾丸の装填を行うミニエー銃形式が合理的でしょう。


    上記のようなパーカッション式や紙製薬莢の実現は、手間的にも金銭的にも難易度が跳ね上がるわりに、あまり戦力増強に結びつかないと私は考えます。
    手間と金銭を惜しまなければ当時の技術でも「チート武器」の作成は可能なのですが、
    大量生産がネックであり、安価な「チート軍隊」を作るのは難しいですね。
    「ライフリング」・「後装式」・「金属雷管」・「金属薬莢」・「無煙火薬」は小銃史における五大発明であり、
    そこにたどり着かない限り、既存の科学技術史をなぞる形での技術無双は厳しいのではないかと考えています。

    さて、「できない事」を指摘しすぎるのも夢がなさすぎるので、火縄銃に対して「できそうな事」を考えてみたいと思います。

    個人的には戦国時代日本の火縄銃の戦力増強を目指すのであれば、マッチロック式の着火を極める方が現実的ではないかと考えます。


    例えば、圧気発火器(ファイヤースターター)で着火させる方式はどうでしょう?
    これは16世紀時点で東南アジアで広く存在した空気圧縮による発火法で、竹と木のみで実現可能な発火具です。
    着火にはピストンにかなり力を入れる必要がありますが、バネが既に実現出来ているので射手に大きな力はいらなくなります。
    火種もフリントも雷汞も不要で、現地調達も可能な材料で自作できるため、なんらかの火薬着火に使用できたのではないかと考えています。
    ※もっとも机上の空論なので、実現可能性については不明ですが。

    また、火薬の着火が不可能だとしても、兵士個人が竹と木で自作可能であり、マッチやライターの感覚で火種を手軽に作れるのであれば、
    火縄銃の有用性が大きく高まるはずです。

    ほかには着火皿に仕込む火薬を「アームストロングの混合物」に変えて雷管化するのはどうでしょう?
    これはスターターピストルやおもちゃの火薬銃で使う鋭敏な火薬です。
    ご存じの通り、フリントや火縄に頼らずに衝撃のみで十分に着火可能です。
    材料としてはマッチと全く同く「塩素酸塩類(=特に塩素酸カリウムが好ましい)」「赤リンまたは硫黄」で作成可能な着火剤ですので、現代でも違法密造銃の火薬として利用されています。
    海水から食塩を取り除いた「にがり」を水に溶かし、加熱蒸発させて再結晶化すると、塩化マグネシウムと塩化カリウムがそれぞれ分離・析出されます。
    当時でも「にがり」までは簡単に作成できますので、塩化マグネシウムと塩化カリウムの分離だけがネックとなります。
    とはいえ、塩化カリウムの析出は様々な方法がありますので、それほど難しい析出作業ではないと考えます。
    この「塩化カリウム」を活性炭+飽和食塩水の電池で電気分解すれば塩素酸塩類である「塩素酸カリウム」がなんとか手に入ります。

    これに赤リンか硫黄と合わせて「アームストロングの混合物」を作成可能です。

    塩素酸塩類を得るための「電気分解」という謎の儀式を戦国大名に理解させるのは難しそうですが、逆を言えばネックはそこだけです。
    電気分解では下記の5つの条件で陰極金属プレート (=アノード)を保護する必要がありますが、いずれも決して難しい作業ではありません。
    ①「塩化物イオン濃度管理(=塩化カリウムが減ったらすぐに追加する)」
    ②「容器の内側を鋼鉄板で囲い、中心に黒鉛を据えて、それぞれを電池に銅線で繋ぐ」
    ③「温度管理(=反応熱で温まった溶液を流水で冷やし、40℃未満に保つ)」
    ④「電流管理(=レモンでは電流が足りなすぎるので、活性炭+飽和食塩水の電池を運用し、定期的に食塩を補充・攪拌する)」
    ⑤「電圧管理(=今回は電圧を限りなく低い値に保つ。活性炭+飽和食塩水の電池の電圧は1V未満なので問題ナシ)」

    海水も食塩も無制限に手に入る日本では、硝石の生成に時間のかかる黒色火薬よりも簡単かつ短時間に調達可能です。
    とはいえ、黒色火薬よりも危険性が段違いに高いので、塩素酸塩類をメイン火薬に据えるのはさすがにやめたほうがいいですね。
    材料はマッチと同じなので、マッチ箱と同じ程度には注意を払う必要があります。
    塩素酸塩類の使用は紙製雷管用に限定し、小分けにしたうえで衝撃を与えないように細心の注意が必要となります。

    マッチはその鋭敏さを回避するために、棒の先に頭薬を、箱側面にリンを塗る事で保管時の鋭敏な反応を回避しています。
    これと同じように着火皿に塩素酸塩類を、火縄先を撃鉄に取り換えて赤リンか硫黄を塗ることで鋭敏さを回避できます。
    リン鉱石は日本では採取が不可能ですが、ヘニッヒ・ブラントがそうしたように、尿を蒸発させることでも得ることが可能です。
    そこまでしなくても硫黄で代替することも可能なので、比較的容易に実現可能でしょう。


    塩素酸塩類は衝撃に非常に敏感であるため、運用に際してはおもちゃの火薬鉄砲のようなテーププライマー(紙製雷管)の開発も必須となります。
    史実では紙製雷管はメイナード式テープ雷管としてスプリングフィールドM1855に採用された実績もあるので、無理なく実現できると思います。
    スプリングフィールドM1855は連射機構実現のために紙製雷管を採用しましたが、雷管の自動装填機能が仇となりその後発展することはありませんでした。
    しかし雷管の自動装填機能は前装式銃ではそれほど便利な機能とは思えませんので、オミットしても問題ないでしょう。
    湿気に弱いのは紙製雷管の定めですが、紙を耐水仕様にすることで裸火薬よりは防水防湿性能は向上します。


    なお、熱濃厚食塩水(=限界まで食塩を溶かした熱水)の電気分解で塩素酸ソーダ(=塩素酸ナトリウム)を作ってもよいです。
    塩素酸ソーダは20世紀後半までは除草剤に使われてきましたが、深刻な爆発事故を起こす可能性があるため、現在では使用されなくなりました。
    食塩のみを材料とするため、こちらの方が製法が簡単ですが、水に溶けず湿度に強い塩素酸カリウムとは違い、非常に水に溶けやすく潮解性があるため、結晶状態での長期保存に向きません。
    耐水性の高い紙製雷管に封じた上で、厳重に防湿された箱で現場まで運用する必要があるでしょう。
    ただし逆を言えば水溶液状態であれば衝撃を気にする必要がないため、適切に密閉された容器であればある程度は安全に長期保存することが可能です。
    また金属腐食性が塩素酸カリウムよりもより深刻であるため、発射後の銃身清掃が必須となります。

    上記のどの話題についてももちろん反論や問題点指摘は大歓迎ですので、もし意見があれば是非ともよろしくお願いします。


    -----------------------以後、返信を受けての回答です-----------------------

    返信ありがとうございます。

    >筒の内径が芯棒より小さくなることはないので普通に抜ける

    確認しましたが、ポリゴナルライフリングは幕末日本にも「六角銃」の名前でウィットワース銃が少数が輸入されており、
    その名の通り六角柱型の非鉛弾丸を回転させながら射出する構造として19世紀には登場していた技術なのですね。
    前装式なのもポイントが高いです。

    また冷間鍛造でのライフル用の芯棒は回転させながら抜くらしいので、熱間鍛造で出来ないことはないのではないかと思いなおしました。
    初期ポリゴナルライフリングは1回転60インチほどとかなり緩いねじれですので、この程度ならするりと抜けるでしょう。
    ※もちろんウィットワース銃の1回転20インチが理想ですが、これが可能なのかどうかを判定するだけの技術知識が当方にありません。

    また、ウィットワース銃のように六角柱型弾丸を鋳造するほうがミニエー弾よりも低コストで弾丸が作成できるでしょう。
    特にこの場合、鉛が必須ではなくなるため、鉄製弾丸による威力向上が見込めます。
    ただし前装式銃なので六角柱型弾丸では回転しながら装填する必要があります。
    このため装填速度が通常の前装式銃よりも劣ってしまう可能性もあるので一長一短です。

    >精度的には0.2~0.4mm(0.1mm以上0.5mm未満)くらいの寸法誤差

    火縄銃の丸弾は確かにその程度の精度なのですね。

    https://www7b.biglobe.ne.jp/~houjyou/mukashi0104.html

    ただ1862年型ウィットワース銃の銃身口径の許容誤差は、0.451~452インチの僅か0.001インチ(0.025mm)です。
    ポリゴナルライフリング銃特有なのかはわかりませんが、ミニエー銃よりも5倍以上の精度を求められています。
    本来、ライフル弾の集弾性能を一定させるためには、これだけの精度が必要なのかもしれません。

    単にライフル回転を与えるだけであれば、例えば鋳造時の精度誤差別に「松」「竹」「梅」のように口径別に分けて弾丸を製造すれば、
    鉛弾丸でももう少し精度の高い弾丸が供給できるかもしれません。


    >戦国時代の技術で手彫りでライフリングを切削することは不可能です

    これについては、ご指摘ありがとうございます。
    戦国時代はポリゴナルライフリング以外の手段ではライフリングは不可能なのですね。

    >実用的なファイヤーピストン

    そうですね。。。これは思いつきなので、銃の点火方式ではなく既存の火縄への着火用と割り切るべきでしょうね。
    「明日の合戦に火縄銃の強化を間に合わせろ」という場合には効果があるかもしれません。

    >やっぱり雷汞

    雷酸水銀は硝石の確保ももちろんですが、自然水銀の確保に結構なハードルがあるのではないでしょうか?
    水銀の日本での主な生産地は北海道・奈良県・長崎県ですが、「戦国時代」というくくりであれば、大量の水銀を確保するのは場所によっては厳しいはずです。
    九州の大名ならばともかく、機内は寺社勢力や商人が強いので、資源の確保は難しいと感じています。
    白粉の原料として当時でも利用されていますが、貴人の高級娯楽品であり、決して大量に輸入できる代物とは思えません。

    甲斐などの銀産地では銀を材料にした雷酸銀で代用も可能ですが、さすがにもったいなくて使えないですね。。。
    にがりか食塩であれば、甲斐のような内陸部以外では簡単に確保可能ですので、ご一考いただければと考えます。


    -----------------------以後、熱間鍛錬製造誤差についての追記です-----------------------


    wikiのエンフィールド銃の項目を見る限りだと、プリチェット弾は最大0.003-4インチまで拡張するという旨の記載があります。0.004インチ=0.1016㎜となりますので、弾丸と銃身のスキマは最大でも0.1mm程度である必要があります。

    現行の考察では熱間鍛錬では精度的には0.2~0.4mm(0.1mm以上0.5mm未満)の誤差が出る見込みですので、単純に考えれば単一規格で銃弾を作ればライフル効果または装填は厳しい可能性が高いです。
    ここで活きてくるのが弾丸を0.1mm刻みで「松」「竹」「梅」で3段階の大きさで作成する方針です。
    銃弾と銃身の差が最大で0.1mmになるように弾丸を製造することは難しくないように感じます。

    もっと調べてみると、プリチェット弾もミニエー銃のように金属プラグ(後に木製プラグ、さらに後に粘土プラグ)を採用することで「製造時に生じた誤差を修正し精度を得る」ことができるという考察も見つけました。
    つまり「ミニエー弾はプリチェット弾(0.1mm拡張)よりも拡張する」ということですので、ミニエー弾はもう少し拡張する可能性が高いです。
    この拡張率についてはデータがなかったのですが、これにプラスして、紙製薬莢で巻くことによってさらなる銃身との密着が得られるはずです。

    上記を考慮すれば、熱間鍛錬での誤差を3段階ミニエー弾製造および紙製薬莢によって補う事が可能であると判断します。

    作者からの返信

    詳細なコメントありがとうございます

    ①につきましては芯棒に巻き付けて鍛造して作る筒の内径が芯棒より小さくなることはないので普通に抜けると思います
    叩いてる最中でも振動で抜ける方向に芯棒が動いちゃうんじゃないでしょうか

    精度的には0.2~0.4mm(0.1mm以上0.5mm未満)くらいの寸法誤差が出るんじゃないかと思ってます
    ミニエー銃そのものは旋盤で作っているので寸法誤差はそれよりも小さいのですが、ミニエー弾は手作業で作った紙薬莢に包んで装填することを想定されていますし、仰る通り鉛で作ってあって発射時の圧力で変形しますので、もう少しサイズのばらつきは許容されると思います
    (集弾性能には影響するでしょうが)

    戦国時代の技術で手彫りでライフリングを切削することは不可能です
    これは単純に鋼鉄を切削加工するためには鋼鉄より硬くて丈夫な素材でできた刃物が必要で、それが地球上のどこにも存在しなかったからですね

    鋼鉄の切削加工が行えるようになったのはヨーロッパで産業革命がおこった初期に鋼鉄を切削するための合金が発明されてからで、幕末の頃より50年以上前になります
    幕末にはアメリカやヨーロッパから工作機械や金属加工技術が入ってきていたので手作業でもある程度の能率で鋼鉄を切削加工できたわけです

    ②の点火方式につきましては機構的に実用的なファイヤーピストンを銃に実装するのはかなり難しそうで、それならフリントロックやホイールロックで良いんじゃないかなと

    雷汞でなければダメというわけではないですが、作れそうで実績があってロマンもあるので使ってみたいですね
    作者は安定化させるゴムの代わりに膠か蒟蒻糊を使うことを考えていました
    ご提示されたそれぞれの化学物質について入手性や安全性などはどれも一長一短かなというところで、やっぱり雷汞で行きたいなーと思いました

    『小説家になろう』の方でも同作品を掲載していて、同じようにいろんな質問や提案にお答えしていますので、そちらもご参考にどうぞ

  • 素晴らしい分析力と解説です。
    感銘を受けました。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。

    かなりマニアックな内容なんですけど、古式銃や技術史に馴染みのない方にも楽しんでいただけるように分かりやすい言葉で順序立てて丁寧に、かつ面白い結論が出るように書きましたので、その点でお褒めいただき嬉しいです。

  •  後知恵で戦国時代でどこまで銃を進化できるかですね
     戦国時代にタイムスリップして銃を改良したら此処までできる
     この場合量産ができるか微妙なところですね
    「闘いは数だよ兄貴」

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。

    この作品を書くにあたって生産工程や環境・設備なども考慮しているのですが、銃本体の工程で変わっているところは銃身を作る際の芯棒が違うことと、機構がマッチロックかパーカッションロックかの違いだけで工程自体に大きな変更はありませんし、雷管や紙早合は工程が単純で一般の農民でも農業の余暇などで作れるものですので、量産システムさえ確立すれば火縄銃と比べてそれほど量産性が劣るものではないかと思います。

  • 戦国物を書こうとしていますので参考になりました。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。
    本作のアイデアはご自由に使っていただいて構いませんよ。

  • かなりの情報量。
    当時の技術レベルや材料の入手性から、製作の可否だけでなく、量産可能かまで考えている辺り、書き手の楽しさが伝わってくる。
    それでも、可読性が失われておらず、思わず読み込んでしまった。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。

    作者は元々技術系の出身でSFも書くので、その経験を活かして執筆しました。

    過去の工業生産技術の水準等を勘案して、現実的に兵器として生産性と信頼性を維持しつつ、どこまで性能と機能性を高められるか、知識のない人にも楽しんでいただき、内容にも納得して貰えるように工夫しています。

  • ロマン兵器の一種ですね。大好物です。リアリティが高いところもgoodです。

    近代的とは言えないかもしれませんが、大坂の陣で使用された大筒に「紙製五十匁」なるものがあるそうで、半紙で作られた一発撃ち捨ての大砲だそうです。現代でも、中東のゲリラが配水管から一発撃ちの対戦車砲を作りますが、なかなか当時の人達も考えるなぁと感心します。

    その手の兵器を掻き集めて、戦記物とか和風ファンタジーとか書いてみたいですね。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。

    ロマン兵器でありながら、実際に作れて実用性のあるものとして説得力のある創作を目指しましたのでご評価いただき嬉しく思います。

    紙製の大筒が存在したというのは初耳なのですが、先込め式銃を実際の戦場で再装填して発射するというのはかなりの熟練が必要でしょうし、命中精度で言うと数を揃えてナンボのものな兵器だろうと考えると、それほど荒唐無稽な兵器というわけでもなさそうに感じますね。

  • Wikiでは読みにくいものをある程度噛み砕いて説明されていますし、筋道が整えられているので結論がすっと理解できました。読み物としても面白いです。

    作者からの返信

    応援コメントありがとうございます。

    マニアックになりがちなテーマを万人向けに、専門知識のない方にもお伝えしながらアイデアに説得力を持たせるよう構成を工夫しましたので、お褒めいただき嬉しく思います。