第97話
朝食を食べ終わった私は、部屋の窓の外を見て「お母さま! 外は、たくさんの雪が降っています!」とお母さまに語りかけた。
私、シャルロットが魔術の修練を始めてから、すでに8年の歳月が過ぎていた。
おかげで現在、私の年齢は14歳。
身長もスクスクと伸びてきて……伸びてきて……伸びて……。
「うああああああああ」
私は、その場で蹲る。
「ど、どうしたの? シャルロット?」
「お母さま、私は世の不条理に嘆いていたの」
そう、もうすぐ14歳になるというのに、私は幼女体型から殆ど成長していない。
おかしい……。
絶対におかしい……。
私は、チラッとお母さまのほうを見る。
お母さまの体型は、私を産んだとは思えないほどおなか回りはスッキリとしていて細い。
そして胸もお尻も出るところは出ていて、プロポーションは完璧というか……週刊誌のグラビアアイドルですら裸足で逃げ出すほど。
そんな血を引いている私が、上から下まで14歳になっても引っかかる場所がない大草原というのは、どういうことだろう?
ちょっと、そのへんを神というのが居たら首を両手で握り絞めて問い詰めたいところでもある。
「そうなの? でも、私もシャルロットと同じ年頃だったときは、同じ感じだったわよ?」
「――えっ!?」
私はお母さまのほうを振り返る。
すると、お母さまは真剣な表情をしながら頷き。
「だって、私達エルフだもの。あなたは、一応……あの王の血も引いているとは言えエルフだから――」
「つまり、私にも挽回の余地がある?」
「…………ええ、たぶん。きっと……あったら、いいわね……」
「お母さま! どういうことですか!」
私は、お母さまに詰め寄るけど、身長が伸びてないイコール体重も殆ど増加していない私の体は簡単にお母さまに抱き上げられてしまう。
「ほら、寝起きなのだから早くしないと魔王さんが来るんだから」
「うん……」
6歳の頃から8年間に渡り魔術を教えてくれる魔王さん。
内政を取り仕切りながら、平行して教えてくれているから、本当にすごいと思う。
時々、「うおおお、仕事がおわらーん! こういう時は魔王ドリンクだ!」と、言って緑色の液体を呑んでいるのを執務室の扉の隙間から覗いて見ているけど、どんな成分が入っているのか、とても気になったりする。
一度、お城を散歩しているときにアゼルドさんとであったときに、魔王ドリンクって何? と聞いたことがあったけど、24時間戦えるようになるドリンクと言っていた。
昔、そんなキャッチフレーズの宣伝をテレビで見たことがあったと思っているとアゼルドさんが、飲んで効果が切れると手足が震えるから呑まないようにと危険なことを言っていたから、それ以降聞いてない。
薬物、駄目! 絶対!
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