幽霊と契約したら幽霊と闘うことになりました
星空青
第1話 プロローグ
暗い部屋にいた。明かりなんてないからどのぐらいの広さなんて分からない。歩こうとも考えなかった。それでも、私は呟く。
「暗いよ。出してよ」
誰も応答してくれない。
何日が経ったのだろう。もしかしたら数時間かもしれない。時間の経過すら分からないぐらいに私は暗闇の中にいた。私は記憶を呼び起こす。明るい部屋で大人たちが私を囲んで言う。
「封印しろ。この子は危険だ」
いつ頃の記憶だろう。もう分からない。でも、ここに入れられるまで私は自分が何をしたのかさっぱり分からなかった。気づいたらずっと、一人暗い部屋に。
またしばらく時間が経った。すると、目の前が錆びついた重い音と共に白い光に包まれる。
「ごめんね。さっ、行きましょ」
と、女の人が手を差し出してくる。私は手を取る。外は眩しかった。私はその女性に問う。
「あなた、誰?」
「私は里美。あなたの力が必要になったの」
里美と言う人物はそう言った。
「力?」
「そう。お願い、私たちを助けて」
それから私は、里美からいろんなことを聞いた。何故私が生まれたのかを。私は、ある神様を守るために作られた。その神様は眠っていて起きちゃうと怒って日本を滅ぼしてしまうらしい。それを狙う悪いお化けたちがやって来ることが分かったから、私を外に出した。でも一人じゃ戦えない。里美と同じ人間と意識を融合させなきゃいけない。里美は写真を見せてきた。写真には一人の青年が写っていた。
「この子と一緒に戦って」
「分かった!」
私は明るく言った。
「コユキ、ごめんね」
「大丈夫。私は里美のこと信じてるから」
「ありがとう。いってらっしゃい。コユキ」
そう言って里美は私を送り出した。
ここは夜の学校。私は写真に写っていた青年に言う。
「さっ、私と意識を融合させましょ」
私は、彼と一つになった。
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