第219話 モヒカンだ

 中学の頃、僕をイジめていたヤンキーのモヒカンだ。



 彼もこの近辺に実家があったが、顔を合わせるのは、以来だ。

 


「ン……」一瞬、僕は注文するのを躊躇ためらった。


 また、あの時のように叩きのめされた挙げ句、馬乗りになってケツの穴を掘られたらたまらない。



「あ……❗❗」

 モヒカンも僕の背後にいるヒカリに気づき驚いたみたいだ。  

 サッと顔色が変わった。

 


「ワ…、ワイルド✨ビーナス……😲💦💦」

 一瞬、たこ焼きを調理さばいているモヒカンの手元が制止した。



「え……❓❓」

 今のモヒカンのひとことに、僕たちの後ろにいたアキラもビックリした表情だ。



「まさか……😰💦💦 彼女、マジでワイルドビーナスなの……」

 途端に顔色が蒼白あおざめた。

 無理もない。



 ワイルドビーナスと言えば、湘南では知らないモノがいないほど、最強最悪、【伝説のレディース】だ。



「……😓💦💦」ヤバい……

 お祭りの境内けいだいで、暴力沙汰なんて洒落シャレにならない。



 喧嘩にならない内に、二人を遠ざけなければならない。



「あ、あのォ~…… すみませんが、たこ焼ひとつ、い、急いで下さい……😅💦💦」

 僕は誤魔化すように注文をかしたら。



「ああ……😅💦💦 たこ焼ねぇ」

 モヒカンも汗だくの顔で苦笑いを浮かべた。






∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆∠※。.:*:・'°☆

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