メサイア

@siosio8

序章 99事件

 2050年、世界技術集合法制定により世界各国の技術が1つの組織に集まり世界の技術が目覚ましい進化を遂げることになる。5年後の2055年には人工知能搭載ロボットメシア初号機完成。4年後にはネットワーク全体を統括出来るメシア9号機誕生により地球の7割がメシアに頼る生活を始めた。

 

 2099年秋、大学1年の僕は大学での生活に慣れ始めていた。

  今日は久しぶりに彼女とデートが出来るということで早起きしてしまった。

待ち合わせ時間の30分前から待っている。早く会うのが楽しみだ。

 「だーれだ?」優しい声とともに暖かい手が目に被さる。

 「泉先生」

 「正解だけど違うでしょ」手が離れ顔を見ると頬を膨らませぷいっとして拗ねていた。

 「ごめんなさい、泉さん」僕は優しく手を引き抱きよせた。

 泉先、いや泉さんは僕の高校時代の先生でつい癖で先生と出てしまう。

 「許してあげましょう」とギュっとされ返された。


 「Mシステムよりご連絡」とMウォッチの女性AIの声が大音量で街に響き渡る。

Mアラートである。

いいところなのに。Mウォッチは国から支給される時計型ネットワーク通信システム。

少し萎え気味にMウォッチに触れる。

「ゔぅ」なんだ、突然体がしびれて動かない。僕だけではない。泉さんや街の全ての人間が動けないようだった。

「これより皆様をネットの世界へご招待いたします。」

どういうことだ一体。叫びたいが声も出せない。そして意識も途絶えていく。

「い・ず・み」


 9月9日午前9時のことだった。、地球最大ネットワーク、メシアの反乱。後に99事件とされる出来事のほんの始まりの出来事だった。


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