百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.9-131 フルレイド『大穴の果てへの参道』 一日目 scene.5
Act.9-131 フルレイド『大穴の果てへの参道』 一日目 scene.5
<一人称視点・リーリエ>
「震雷八卦掌」
ヴェルディエは覇王の霸気の黒稲妻を纏わせて掌底を連続で放っていく。霸気を獲得してからヴェルディエの基本技となっている「震雷八卦掌」だけど、霸気を習得したばかりの頃より遥かに威力が上がっている。
ディグランやバダヴァロートもそうだけど、元々高い資質を持っていた『王の資質』の保有者達は幾多の戦いを生き抜く中でそれぞれ人間的に成長し、霸気のレベルが上がったみたいだ。
多種族同盟加盟国は非戦闘員が君主をやっている場合を除き、王や君主が高い戦闘力を有している場合が多い。
エイミーン、ディグラン、ヴェルディエ、バダヴァロート、レジーナ、ピトフューイ、雪菜、黒華――皆、圧倒的な霸気、『王の資質』を持っているけど、その中でも別格なのはやはりラインヴェルドとオルパタータダだねぇ。
「
御大層な名前がついているけど、やっているのは「
ただ、その威力は桁違い。膨大な覇王の霸気を纏わせて薙ぎ払うだけでレイドエネミー達は一撃で粉砕される。
一番耐久力のある
ちなみに、覇王の霸気を纏わせて薙ぎ払い、斬撃を飛ばす技は「
「それじゃあ、ボクもそろそろ動こうかな?」
他の二十三人が既に戦闘を始めていて些か出遅れた感があるけど、ボクもそろそろレイドエネミー討伐に参戦することにした。
「《分裂超分身》! 《辺獄分身》!」
『
まず、ボクの本来の魂魄の霸気から。《
たたし、これまでの魂魄の霸気とは異なり霸気を大量に消費するため、長期間の使用は現実的ではない。……連続使用をすれば『
『
しかし、《神軍》は強制的に求道神や覇王神の領域に至らしめるという技。そのため、求道神や覇道神のレベルに達した求道の霸気や覇道の霸気を操ることができるようになる。ただし、使えるのと使いこなせるのは全く違う。本人の練度が低ければ宝の持ち腐れになるだけだろうねぇ。
続いて《時空の女神》。宙乃と時乃、黒華の魂魄の霸気を【再解釈】して誕生した魂魄の霸気だけど、更なる解釈の末に《黒愛之焔》が消え、時空魔法の影響を受けない相手にも時空属性攻撃のダメージを与える《時空耐性貫通》、帝器・皇牙系統の武器の性能を百倍にする《立方強化》、時空耐性を貫通する攻撃を無効化する《時空耐性貫通無効》の四つの効果を持つよつになった。
続いて《転移転送》。ラインヴェルド、オルパタータダ、ルーネス、サレム、プリムヴェール、カノープス、メネラオス、ネスト、ジーノの魂魄の霸気を【再解釈】して誕生した魂魄の霸気で、光から作り出されたような七千七百七十七本の白い羽の意匠が施されたナイフを使い、ナイフから別のナイフがある地点に転移することができる《白刃転移》、ナイフを媒介にせず魔法陣を展開し、魔法陣を媒介にした転移を可能とする《魔転門》、属性を光から闇に変化させる《反転転移》、光と闇を操作する《光闇操作》、光と闇の属性を付与する《光闇付与》、視界だけに留まらず、見気で捕捉した範囲に瞬間移動する《姿眩転移》、自身の捉えた範囲に斬撃を含めあらゆる物体を瞬時に転移させる《万象転送》、無数の炎を飛ばして炎を起点にして転移する《焔瞬転移》からなる。
《白刃転移》は三次元的な空間を支配し、限定的でありながらも瞬間移動することができる《
《魔転門》は事前に魔法陣を展開しておくことで門と門を繋いだ転移と、《魔転門》によって生じる魔転域という領域から穴を開けて転移する方法のに種類がある。これはオルパタータダの魂魄の霸気と同一の効果だ。
《白刃転移》と《魔転門》は光属性だけど、《反転転移》を使うことで闇属性に変化させることもできる。ラインヴェルドやオルパタータダの魂魄の霸気は光操作や闇操作で転移を膨大される可能性があったんだけど、属性を変化させることでその危険性を少しでも減らすことが可能になった。
続いて《虚実転変》。カノープス、ラル、ジョナサン、アスカリッドの魂魄の霸気を再度解釈し直したもので、一時的に周囲の人間の限定的な認識に干渉することで敵を惑わす《認識干渉》、一時的にあらゆる観測を掻い潜ることが可能になる《消失幻魔》、分裂することで偽物ではないもう一人の自身を創り出す《分裂超分身》、無数の偽物の分身を作り出す《夢幻超分身》、見気を使わなければ捉えることができない分身体を作り出す《辺獄分身》からなる。
《辺獄分身》から生じた分身には闘気を纏った攻撃しか通用しない。……アスカリッドの魂魄の霸気と効果は同じだねぇ。
続いて《心燃力化》。カリエンテ、スティーリア、沙羅、黒華の魂魄の霸気を解釈し直したもので愛する者への愛を燃やすことで自身の力を際限なく引き上げる《親愛強化》、愛の感情をエネルギーに変換させる《愛情焔炉》、感情を昂らせる度に力を増し、攻撃技を放つ度に攻撃力を増していく《激情攻勢》、銃の形を作り、《愛情焔炉》や《激情攻勢》で生じたエネルギーを指で赤い弾丸へと変化させて撃ち込み強化する《激情装填》、《愛情焔炉》や《激情攻勢》で生じたエネルギーを霊力、魔力、闘気に変換し、更に霊力、魔力、闘気を相互に変換させることができる《異力変換》からなる。
続いて《白氷神竜》。スティーリアの魂魄の霸気を【再解釈】して誕生した魂魄の霸気で
続いて《武装万軍》。アクア、オニキス、ファント、バルトロメオ、ポラリスの魂魄の霸気を解釈し直したもので、霸気が肋骨のような形を作り、骨格が生成され、骨格を覆う形で人の形を取り、最後に全身武装を纏うことで完成する《真紅姫騎士》、真紅の騎士団を模した高エネルギー体を作り出す《真紅幻騎士団》、真紅の騎士団を模した高エネルギー体や姫騎士を実体化させる《物理騎士化》、剣を含む無数の武装防具を創り出す《創造錬成》からなる。
《真紅姫騎士》は《黒騎士》と《蒼騎士》を基にしていて、《蒼騎士》の弱点であった武装の脆さも克服している。《物理騎士化》を使うことで《黒騎士》のようなオーラに近いものとポラリスのもののような実体に近いものとを切り替えることもできる。《黒騎士》に近い方が敏捷が上がる代わりに脆くなるが、《蒼騎士》に近づけると敏捷が落ちる……状況に応じた使い分けが必要だねぇ。
《真紅幻騎士団》は《騎士団》と同じ効果で真紅の騎士団を模した高エネルギー体を憑依させることでステータスを強化することができる。
バルトロメオの無数の剣を召喚する《剣》とファントの圧倒的な防御力を誇る巨大な鎧を生成する《巨大鎧》及び武装の生成を行う《武装》は《創造錬成》に統合され、《創造錬成》を使うことで再現が可能になっている。
続いて《昇華削弱》。アクアとオニキスの魂魄の霸気を解釈し直したもので、味方の全ての能力を最低でも一段引き上げる《昇華》、敵の全ての能力を最低でも一段引き下げる《削弱》の二種類がある。
アクアとオニキスの二人分の同一魂魄の霸気を使用したので、アクアとオニキス以上の出力を獲得した。
続いて《
続いて《八卦対極》。ルーネス、サレム、アインス、ヴェルディエの魂魄の霸気を解釈し直したもので、様々な形に変形することが可能な極めて強力な求道の霸気と同性質のエネルギーから作り出された漆黒の球とその球と同素材から作られた錫杖を作り出す《求道の仙錫》、太極図を展開し、その上に乗った者の霸気を一時的に増幅する形で高めることができる《求覇太極図》、覇王の霸気を天、沢、火、雷、風、水、山、地の属性に変化させる《八卦変化》の三種類がある。
続いて《森精巫女》。エイミーン、マグノーリエ、プリムヴェールの魂魄の霸気を解釈し直したもので、自身の魔法適性を
白い虹にはそれぞれ物理攻撃上昇、物理防御上昇、魔法攻撃上昇、魔法防御上昇、状態異常無効化、自己治癒促進能力、月属性魔法威力上昇の効果がある。……プリムヴェールの魂魄の霸気から基本的に変化はないねぇ。
続いて《覇壊》。ディグラン、シューベルト、ティアミリスの魂魄の霸気を解釈し直したもので、抵抗力が弱ければ術者に屈服して心酔してしまうほどの圧倒的な魔法闘気を対象に纏わせる《覇国》とあらゆるものを破壊する破壊の概念を宿す《破壊神》からなる。
《破壊神》は黒いオーラのようなものが包み込み、燃え盛るように溢れ出してから収束し、剣に破壊の概念が宿ると見た目上は《大魔王》と同じだねぇ。
ただ《破壊神》はシューベルトとティアミリスの《大魔王》にディグランの《英雄王》を纏わせた武器の破壊力を足し合わせたような圧倒的破壊力を有していて、破壊の概念を宿す武器はあらゆるものを破壊することができる。
斬撃の命中した範囲だけに留まらず、その周辺にも破壊の概念を撒き散らすほど凶悪化しているけど、威力そのものを調整して弱体化させることはできる。
応用で、剣で空間を破壊することで衝撃波を発生させることや破壊の概念を纏わせた黒い斬撃を飛ばすこともできる。
続いて《海神》。バダヴァロート、ソットマリーノ、ボルティセ、シレーヌ、プルウィアの魂魄の霸気を解釈し直したもので、あらゆる水分に干渉し、液体を掌握する《水掌握》、対象した地点を中心に大量の水を発生させ、目標が動いたとしても、その目標と同時に移動する水のフィールドを形成する《海域》、
《水掌握》は大気中や海中、生物内の水に干渉して水の内部に衝撃波を伝達させることができ、使い方によっては、液体である水を掴んであたかも固体のように扱うことができる。……まあ、ソットマリーノの液体を掌握する《海握》と同じ効果ということだねぇ。
続いて《糸支配》。フィーロと菊夜の魂魄の霸気を解釈し直したもので、これまでの糸魔法では不可能だった自身の肉体そのものを糸に変えることができるようになる《糸人間》と、研ぎ澄ませるほど糸は無限に細くなり、細くなるほど長く伸ばせる糸を操る《切断糸》からなる。
最後に《覚醒》。フィーロと菊夜の魂魄の霸気を糸に関係するもので統合した後の残り物だねぇ。効果はフィーロのものと同じく「マナフィールド」を発動した状態でしか使用することができない戦略級魔法の発動を可能にするというものだねぇ。
《分裂超分身》と《辺獄分身》で分身を作り出し、《太陽神》で作り出した光の剣に武装闘気と覇王の霸気を纏わせ、《太陽神》で光の速度まで加速――光の速度まで加速された圓式の斬撃で次々とレイドエネミーを撃破していく。
レイドエネミーを討伐しながら進むこと四時間。十二時になったので一旦昼食を取ることにして拠点を作ってから調理開始。
本来、日の届かない迷宮の内部では生活サイクルが崩れやすいんだけど、時計ってこういう時に本当に便利だよねぇ。
ジャイアントホール残留組の分も作るから時間がそこそこ掛かる。ラインヴェルド達に周辺のレイドエネミーの討伐を依頼してから、ボクは早速調理に取り掛かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます