百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.8-72 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の堕天使〜
Act.8-72 四連続高難易度大迷宮攻略作戦〜最奥のガーディアン・迷宮統括者の堕天使〜
<一人称視点・リーリエ>
【練金成術】系スキルで穴を開けては自由落下し、更に落下したまま【練金成術】を続け、時折フロアボスや雑魚魔物を発見すると指輪を経由した闇の魔力でローザ=ラピスラズリがレベル95で習得する暗黒物質を顕現して勢いよく地面から噴き上げる超高火力の闇魔法のフェイク版――「ダークマター・フェイク」で撃破し、更に進んでいくという作業の繰り返し。
途中途中で上への螺旋階段を設置するという作業を行いながら迷宮を降りること二十一分分、ようやく最後の階――千層のラスボス前の扉が設置された大広間に到達した。
そこから上層部の魔物を粗方狩り尽くした榊達と合流する。
『お姉様、迷宮内で怪しげな穴を発見しましたわ』
『ローザ様、私達も探索中に見つけました』
『怪しげな穴か……俺も見たぞ?』
榊達の話を総合すると、ゲートウェイの入り口だということがはっきりと分かったけど……うーん、これはどういうことなんだろうねぇ?
これまでの傾向からゲートウェイから出現する場所はランダムだろうと検討をつけている。迷宮内部に出現したという例はないけど、あり得ない話はない。
でも、実際に確認したけどゲートウェイの入り口は上層部だけでも六つ、入り口出口合わせて三つ分存在していた。これだけ局所的にこれだけの入り口が集まるなんてことはまずあり得ない。
……楽に終わると思っていた
合流した榊達と共にこれまでの
中には堕天使の黒い翼を生やした濡羽色の髪を持つ女性の姿があった。
そして、闘技場の一角にはゲートウェイが……なるほどねぇ、やっぱりここにあったか。
『ようこそ迷宮へ。わたくしはこの迷宮の
「戦闘の前に一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな? この迷宮の挑戦者で初めてここに辿り着いたのってボク達かな?」
『いえ、貴方達が来る前に紫色の髪と瞳を持つ紫のドレスの上から羽衣を身に纏った女性がやって来ましたわ。……と言っても、わたくしと戦うことなくそこにある穴の中に逃げ込みましたが』
「なるほどねぇ、よく分かったよ。……それじゃあ、勝負を始めよっか」
『
翼を大きく広げ、黒く染まった無数の光条を放ってきた……そういえば、『Eternal Fairytale On-line』には堕天使風はいても、堕天使って区分は無かったから(レイドボスも含めて天使か悪魔のどちらかに区分される)、堕天使系の特技って無かったねぇ。
無数の光条を裏武装闘気で生み出した小さな盾で防ぎ、『
『くっ……
へぇ……悪魔の固有技能か、『Eternal Fairytale On-line』の特技も使えるのか、と思いつつ天空に何重もの魔法陣を展開し、顕現した黒いエネルギーの塊を落下、爆発させる堕天使技を「
更に、「
『Eternal Fairytale On-line』ではプレイヤー、レイドボス問わずその種族に分類された場合に会得する特技――固有特技がある。
例えば、吸血鬼/吸血姫であれば『
天使の場合は光の雨を降らせ、広範囲の傷を癒やし、状態異常を回復させる「
悪魔の場合は冷たい波動を放ち、ステータスの変化を問答無用で無効化する「
どうやら、サトゥルニナはそのシステムを踏襲しているらしい。
『
無数の魔法陣を展開して上空から黒雷を降り注がせ、黒く燃え上がる身体で飛翔し、上空から突撃攻撃を放ってきた。
黒雷を展開した小さな裏武装闘気の盾で的確に防ぎ、『管理者権限・全移動』を駆使して「
後は【万物創造】で作成したMOBの捕獲確率を上昇させる課金アイテムのドミネートMOBポーションをがぶ飲みしながら捕獲確率を高めていき、攻撃を防ぎながら「
そして、万全の状態になったところを狙い、【万物創造】で作った支配者の鎖網を投げた。
抵抗したサトゥルニナだけど、支配者の鎖網はびくともしない。鎖がチカチカと緑色に点灯を続け、八回、鎖が明滅すると緑の光が消え、パリィーンと音を立てて鎖が砕け散った。
「さて本日四人目、従魔ゲットだねぇ」
HP:18,000,000
MP:43,000,000
STR:30,000,000
DEX:45,000,000
VIT:35,000,000
MND:31,000,000
INT:32,000,000
AGI:49,000,000
LUK:40,000,000
CRI:10,000,000
▼
「さて……一応念のために聞くけど、君はボクの従魔になってくれたってことでいいんだよねぇ?」
『そういうことになりますわね。よろしくお願いします。ご主人様』
「宜しくね。名前はこれまで通り、サトゥルニナ・ε・ラビュリントを名乗るといいよ。……ところで、早速で悪いんだけど最下層に案内してもらえるかな?」
HP:18,000,000
MP:43,000,000
STR:30,000,000
DEX:45,000,000
VIT:35,000,000
MND:31,000,000
INT:32,000,000
AGI:49,000,000
LUK:40,000,000
CRI:10,000,000
▼
『承知致しましたわ』
その後、真紅の魔法陣が設置された小部屋と、青色の魔法陣が設置された小部屋、二つの部屋を繋ぐ中部屋がある最下層に辿り着き、まずは魔物を迷宮内部に封印した。
続いて、青色の魔法陣の上にある山積みの硬貨や、
残りの硬貨や宝石や貴金属などの換金アイテムは榊に預け、ライヘンの森組で分けてもらうことになった。
その後、ボク達は一旦ライヘンの森に向かい、日長、月長、玻璃、紫水、翡翠、碧羅を送り届け、続いてラピスラズリ公爵家の屋敷に榊、槐、椿、榎、楸、柊を送り届けてから欅、梛、樒、椛、槭、楪、櫻、スティーリアを加えて
「欅さん達は念のため魂絆融体をしておいてねぇ。……さて、これが問題のゲートウェイだよ」
『ローザ様はこの先に紫の女神アメジスタがいるとお考えなのですね?』
「スティーリアさんの仰る通り、もしサトゥルニナさんの証言がアメジスタを指しているなら、この先にいるのは彼女しかいないと思うよ? なんでこんなところにいるのか全く意味が分からないけどねぇ」
アメジスタは他の神と共にハーモナイアを滅ぼした『唯一神』の一柱……到底許せない相手だ。
まあ、どんな理由があるにしても『管理者権限』を集めなけれはハーモナイアを蘇らせることはできない。――邪魔をするのであれば全力で排除する、それだけだよ。
「これから、ゲートウェイに突入する。内部は不思議のダンジョンになっているから、階段を見つけたら必ず全員で合流してから次の階に進むということを覚えておいて」
欅、スティーリア、サトゥルニナ――全員が頷いたのを確認してゲートウェイに突入する。
中は赤と黄金を基調として王宮の内部を彷彿とさせるような巨大な通路が広がっていた。
「……ラストダンジョン・
『このようなものを迷宮内に……ご主人様、もしやあの時の侵入者の目的はわたくしと戦うことではなく』
「まあ、おおよそ考えている通りだろうねぇ。アメジスタはサトゥルニナさんを……いや、迷宮そのものを砦として利用しようとしたんだと思うよ」
出現する魔物はファイアドラゴン、ブリザードドラゴン、ウィンドドラゴン、サンダードラゴン、アースドラゴンの五体――確認したところHP4500で、『不思議のダンジョン;ゲートウェイフロンティア』のラストダンジョンやドラゴネスト・マウンテンのゲートウェイと全く変わらないレベルの強さだった。
サンダードラゴンがゲーム時代は凶悪だったフロア全体に攻撃を仕掛ける「放電」を何度か放ったけど、大したダメージは無かった。……やっぱり弱い。
『――星砕ノ木刀』
『
『
武装闘気を纏わせた木刀で斬撃を放つ欅、無数の魔法陣を展開し、上空から黒雷を降り注がせるサトゥルニナ、作り上げた『
まあ、このメンバーが相手じゃ『Eternal Fairytale On-line』のイベントボス程度のレベルだと太刀打ちできないと思うけど。
ちなみに、
中間地点にはバッグに入り切らない道具を預かってくれる古代民の時空ロッカーに繋がっているセーブ機能付きのお役立ち装置――オベリスクが設置され、最後の決戦に挑むプレイヤーはここで最後の調整をしたんだけど……まあ、多分必要ないよねぇ。
お腹ゲージも存在しないので、全てのアイテムを拾いつつ階段を降りて行き、オベリスクのある中間地点を経由して、いよいよ
ゲーム時代と違うのは、何故か裏ボスの大いなる邪神の像(HP39999)が通常敵として出現したことかな? ……いや、だからといって大した変化はないんだけど。
邪神の像は「邪神の重撃」、「邪神の魔撃」、「魔導防御結界」、「魔導砲」、「邪神の魔導防御カウンター」など豊富なレパートリーの固有技を持つ難敵だけど、全て耐え切れる範囲の攻撃などで耐え切られ、欅、サトゥルニナ、スティーリアに撃破される……自分で作っておきながら(低レベルクリアを目指した時に)苦戦した思い出があるからちょっぴりショックだなぁ。
ってか、ラスボスの第二形態こと紫の女神アメジスタよりも強い筈だけど、もしかして警戒し過ぎていたかな? 確かに頼れる戦力を揃えてきたけど、アメジスタってサトゥルニナと戦う前に撤退しているんだったよねぇ? 戦う必要が無かったとはいえ。
最奥部十九階の階段を降り、ついに玉座の間に到着する。
――そこには目を見開いて驚き、悲壮な表情を浮かべた紫色の髪と瞳を持つ紫のドレスの上から羽衣を身に纏った女神――アメジスタの姿があった。
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