Act.8-4 誕生日会の二次会と、ドリームチームトーナメントと……。 scene.1

<一人称視点・ローザ・ラピスラズリ・ドゥンケルヴァルト>


 ――翌日、誕生日会用に急遽建造したラピスラズリ公爵家の別邸にて。


「…………昨日は散々な目に遭わされた。俺の腹の虫が収まらん。速やかに剣を抜いて勝負しろ。勿論、拒否権はないからな」


「昨日の襲撃はなかなか素晴らしいものでした。しかし、まだ私は満足していません。どうぞ、心ゆくまで打ってください」


 ボクは総隊長に就任したシューベルトに剣を向けられ、総隊長補佐のモネから熱烈な視線を向けられていた。


 誕生日会二日目、別名二次会と呼ばれるこの会には一次会では事情を隠すために呼べなかった各国関係者やボクの身内などが招待された。


 まずは昨日シューベルトやモネと言った一次会を台無しにしかねない者達を一次会の会場に入れないように警備を担当していた七星侍女プレイアデスの欅、梛、樒、椛、槭、楪、櫻。

 守衛役で一次会場の警備に当たっていたエヴァンジェリンとカリエンテ。

 メイドとして会場での給仕などの仕事に従事していたスティーリアとラファール。

 勿論、琉璃、真月、紅羽、ペルちゃんの姿もある。


 続いてビオラ商会の大幹部達。ジェーオ、ラーナ、アザレア、アゼリア、アンクワール、ペチカ、モレッティ、それから書肆『ビオラ堂』の編集のレネィス。一次会は他の商会との兼ね合いやラピスラズリ公爵家との繋がりを悟られる可能性を考えてアンクワールとペチカしか呼べなかったから、今日はみんなにも楽しんでもらいたいねぇ。


 続いて、暗殺組織・極夜の黒狼。ラル、ペストーラ、スピネル、チャールズ、ポルトス、カルメナ、アーロンの七人が参加することとなった。

 今回の参加者にはアーロンの成長に悪影響を与えそうなタチの悪い大人が何人かいるけど、まあラルがいいと思ったならボクに咎める権利は無いからねぇ。


 続いて、ナトゥーフとオリヴィアのペア。今回は魔女の森ウェネーフィカ・ネムス組のレジーナ、ミーヤ、リィルティーナ、ユリア、ユリアの使い魔のトビハリネズミと行動を共にして二次会会場に来たみたいだねぇ。

 同期として魔法学園の入学が決まったオリヴィアとリィルティーナの関係は良好そう……というか、完全にリィルティーナが姉でオリヴィアが妹みたいな関係になっているねぇ。

 しかし、どんな美少女姉妹だよ! うん、性癖ストライクゾーンど真ん中のナイス百合です、ありがとうございます! 目に焼き付けて、後でイラストに起こそう!


 続いて、ブライトネス王家御一行と大臣。ラインヴェルド、バルトロメオ、ヴェモンハルト、ルクシア、ビアンカ、ノクト、レイン、ニーフェ、ペチュニアというまあ大凡予想通りのメンバーじゃないかな? 分類が難しいディランもここに入れてみた……完全にアクアとペアで行動しているし、ラピスラズリ公爵家に居ついているからラピスラズリ公爵家の関係者に分類しても良さそうだけど。


 続いて、ブライトネス王国騎士団関係者御一行。ジルイグス、ディーエル、モーランジュ、イスタルティ、ペルミタージュ、シモンという隊長クラス揃い踏みだねぇ。


 続いて、王国騎士団と双璧を成す魔法省特務研究室の皆様。スザンナ、アゴーギク、ケプラー、ヒョッドル、シュピーゲル、カトリーヌ。

 魔法省と関わりの深い新生宮廷魔法師団からは相談役のミーフィリアと団長のホネストも来ているよ?


 続いて、冒険者チーム。ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャ、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、レミュアの九人。ミーフィリアの弟子のレミュアはミーフィリアと纏めた方がいい気がしないでもないけど、まあこちらの分類で……どちらでも大して関係ないけど。


 天上の薔薇聖女神教団からはアレッサンドロス、コンラート、ヴェルナルド、ルイーゼの四人。四人のうち三人が狂信者で、ルイーゼも若干怪しいというカオスパーティー。


 緑霊の森からはエイミーン、ミスルトウ、マグノーリエ、プリムヴェール、キャプセラ。キャプセラは従者としての同行だねぇ……もしくは、ミスルトウと共にエイミーンの暴走を止める役?


 ユミル自由同盟からはヴェルディエ、メアレイズ、ラーフェリア、メラルゥーナ、ヤオゼルド、ガルッテ、アルティナ、オルフェア、サーレ、ゴリオーラ、ウルフェス、ヘルムート、ヴォドール、ラミリア、ギュトー、バトーウ、フォッサス、イフィスが参加。族長クラスがほぼ集結だねぇ。


 兎人姫ネメシア教は当然カムノッツ、ペコラ、フィルミィの三教主が集結。天上の薔薇聖女神教団と並んで信仰心がカオス。


 ド=ワンド大洞窟王国からはディグラン、エリッサ、ハイン、パーン、ロックス、ヴィクトスの上層部が全員……というか他の国もだけど高が一公爵令嬢の誕生日を祝う? ために、国政を休みにする必要ってあったの?


 エナリオス海洋王国からはバダヴァロート、シリェーナ、ソットマリーノ、ヴィアベル、シャードンの五人が参加。第二王子のボルティセは参加辞退したシレーヌが残る王宮を守るために国に残ったそう。


 続いて、フォルトナ王国御一行。オルパタータダ、ルーネス、サレム、アインス、イリス、シヘラザード、アルマン、オニキス、ファント、ウォスカー、ファイス、ドロォウィン、フレデリカ、シューベルト、モネ、ファンマン、ポラリス、ジャスティーナ、ヨナタン、ジョセフ、バチスト……随分と懐かしい人もいるねぇ。


 緑の使徒ヴェルデからはアリシータが来ている。まあ、これも大凡予想通りだろうねぇ。


 続いてルヴェリオス共和国。メンバーはイリーナ、ピトフューイ、プルウィア、ホーリィ、リヴァス、クラリス、トネール、ネーラ、ヴァルナーの九人。……というか、ルヴェリオス共和国も国政休みか……だから、多種族同盟の仮のトップとはいえ、一公爵令嬢の誕生日程度のために政治を休むってアウトだと思うんだけど。


 一方、ある意味ホストと言えるラピスラズリ公爵家からはカノープス、ネスト、ヘレナ、エリシェア、カレン、ナディア、ニーナ、クララ、シェルロッタ、フィーロ、ブルーベル、ジーノ、ヒース、ヘイズ、サリア、スティーブンス、ジェイコブ、ジミニー、アルバート、パペット、カッペ、ヘクトアール、フェイトーン、メネラオス、リスティナ、マナーリン、マイル、クイネラ、アンタレス、シュトルメルト……新旧ラピスラズリ公爵家の関係者が一部を除いて勢揃いだねぇ。ちなみに、衛兵を務めている『剣聖』のダラスは先代公爵家の屋敷内専属の男性使用人ですらりとした美丈夫のやや髪の長い優男で演劇の台詞を口にしていると錯覚するほど美しい声をしているローランド・コーウィッシュと共に屋敷に残っているカトレヤとカルミアの世話と状況説明のために残っている。


 まあ、そんな感じで始まった誕生日二次会だけど、昨日に一日早く現地入りして会場に襲撃を仕掛けてやろうと企んだらしいシューベルトは邪魔されて大層ご立腹らしい。……いや、ただでさえやりたくない誕生日会だったんだけど、それを更に台無しにするとか……まあ、この人は人の嫌がることをして楽しむ天性のドSだから仕方ないか。


「お前はとりあえず、沈んでおけッ!」


 モネの呼吸を読んで無意識に切り替わるタイミングを狙い、ドレスのまま腹目掛けて飛び蹴りを叩き込んでモネを壁に減り飲ませた。

 流石にビアンカ、ノクト、ニーフェ、ペチュニア、ルーネス、サレム、アインス、イリス、シヘラザード、ジェーオ、ラーナ、アザレア、アゼリア、アンクワール、ペチカ、モレッティ、レネィス……この辺りには刺激が強すぎたみたいだねぇ。


「……大変素晴らしい威力の蹴りでした」


「もう本当にそれ、フォルトナ王国でならともかく他の国でやらないでもらいたいよねぇ。ここには王太后様や荒事に耐性のない人達だっているんだから少しは自重してもらいたいんだけど」


「ローザ様、お待ちください! フォルトナ王国ならともかくって、フォルトナ王国にだって問題児は必要ありませんわ! サレム達の教育に悪いわよ!」


「……宰相と結託して国崩しを狙った側妃様が何を言っているんだろうねぇ? まあ、心を入れ替えてシヘラザードさんがイリスさんと協力して頑張っているのは知っているけどさ。……とりあえず、ボク個人としてはそこの声の煩いヅラはいらない」


「誰がヅラだ! 私はポラリス=ナヴィガトリアであるッ!!」


 シヘラザードとアルマンが青い顔でブルブル震えているけど、ポラリスの大声が煩過ぎて二人に注目が集まらなかったみたいだねぇ。

 何気にとんでもないフォルトナ王国のスキャンダルを暴露した訳だけど、ポラリスの煩い声に塗り潰されるって、無駄にお前凄いな……煩過ぎて、ついついお前のヅラを反射的に吹き飛ばしてやりたくなったよ。


「それで、ローザ? 誕生日会の二次会って具体的に何をするんだ? プログラムは決めといてくれたんだよな?」


「……オルパタータダ陛下。ずっと疑問だったんだけど、なんで誕生日の主役の筈のボクが全部用意しないといけないんだろうねぇ? ……何も決めてないよ? 仮に決めてもダブルクソ陛下辺りに粉砕されるのがオチでしょう?」


「アハハハハハ! よく分かっているじゃねぇか!?」


 ……もうやだ、このクソ陛下共。


「一応、料理やお菓子なども用意したからそれを楽しんでもらってもいいし、他に提案があるならできる限り叶えるつもりだけど……。はいはい、分かってますよ。これだけ戦闘脳なメンバーが揃ったらやりたいですよね?」


「楽しみにしていたぜ! 久々のバトルロイヤルか!? 今度こそ兄上と決着を?」


「……バルトロメオ王弟殿下の気持ちは分からない訳ではないけど、流石に人数多いからバトルロイヤルは流石に却下したいねぇ。折角だから、ドリームチームのトーナメントなんてどうかな? 各国の猛者と連携をする時にも役立つだろうし、いいと思うんだけど?」


「面白そうじゃねぇか! じゃあ、オルパタータダ、レジーナ、エイミーンさん、ヴェルディエさん、ディグランさん、バダヴァロートさん、ピトフューイさんの各国代表ドリームチームで決まりだな!」


「なっ!? へ、陛下、私達は!?」


「……なんか人数も多いし、各チームで格差があっても困るから大体メンバーは十人……増えても十一人ってことでいいんじゃないかな?」


「そっか? じゃあ、カノープス、メネラオス、これで十人だな?」


 ……戦力偏りまくっているけど大丈夫? 明らかに勝ちに行っているんだけど……って、まあほうだよねぇ。

 そこから会場の各所で勧誘の嵐が巻き起こり、瞬く間に十五チームが誕生した。


 ちなみに、各チームメンバーはこんな感じ。


-----------------------------------------------

◆チーム一

ローザ、エヴァンジェリン、欅、梛、樒、椛、槭、楪、櫻、ペルちゃん


◆チーム二

ラインヴェルド、オルパタータダ、レジーナ(ミーヤ)、エイミーン、ヴェルディエ、ディグラン、バダヴァロート、ピトフューイ、カノープス、メネラオス


◆チーム三

ラル、ペストーラ、スピネル、チャールズ、ポルトス、カルメナ、エリッサ、ユリア(トビハリネズミ)、シェルロッタ、レイン


◆チーム四

ネスト、フィーロ、ブルーベル、アンタレス、シュトルメルト、エリシェア、カレン、ナディア、ニーナ、クララ


◆チーム五

ヴェモンハルト、スザンナ、アゴーギク、ケプラー、ヒョッドル、シュピーゲル、カトリーヌ、リサーナ、ミーフィリア、ホネスト、ヴィクトス


◆チーム六

アレッサンドロス、コンラート、ヴェルナルド、ルイーゼ、カムノッツ、ペコラ、フィルミィ、アリシータ


◆チーム七

ミスルトウ、メアレイズ、ラーフェリア、メラルゥーナ、ヤオゼルド、ガルッテ、アルティナ、オルフェア、サーレ、真月


◆チーム八

ナトゥーフ、オリヴィア、リィルティーナ、レミュア、マグノーリエ、プリムヴェール、カリエンテ、スティーリア、ラファール、琉璃


◆チーム九

ジルイグス、ディーエル、モーランジュ、イスタルティ、ペルミタージュ、シモン、パーン、ロックス、シャードン、モネ


◆チーム十

ゴリオーラ、ウルフェス、ヘルムート、ヴォドール、ラミリア、ギュトー、バトーウ、フォッサス、イフィス、紅羽


◆チーム十一

オニキス、ファント、ウォスカー、ファイス、ドロォウィン、フレデリカ、バチスト、シューベルト、ファンマン、レオネイド、ポラリス


◆チーム十二

ヴァケラー、ジャンロー、ティルフィ、ハルト、ターニャ、ディルグレン、ダールムント、ジェシカ、ジャスティーナ、リヴァス


◆チーム十三

ジーノ、ヘレナ、ヘイズ、サリア、ジェイコブ、マナーリン、マイル、クイネラ、ヨナタン、ジョセフ


◆チーム十四

アクア、ディラン、イリーナ、バルトロメオ、ソットマリーノ、プルウィア、ネーラ、ヴァルナー、トネール、クラリス


◆チーム十五

リスティナ、ヒース、スティーブンス、ジミニー、アルバート、パペット、カッペ、ヘクトアール、フェイトーン、ホーリィ

-----------------------------------------------


 ……まあ、多少固まっているところはあるものの、いい感じに分かれたんじゃないかな?


「そんで? 具体的にどんなルールでやるんだ?」


「今回のルールはチームごとのトーナメント戦。それぞれのチームの大将を倒した際に五ポイント、メンバーを倒した時に一ポイント敵チームに入るルールでどちらかのチームの大将が負けたところでゲームセット。最終的にポイントの高かったチームの勝利となる……って感じかな? フィールドは中央フォトロズ大規模戦闘室に「Lリリー.ドメイン」を展開して戦場として、内部に雑魚敵の設置は無し。フィールドはバトルロイヤルほどじゃないけど広めに設定しておくから、戦略を練る必要がありそうだねぇ」


「えっと? つまり、今回は大将じゃなくてポイント制ってことだから、ポイントの高い状態で大将を撃破して戦闘を終了させる必要があるってことでいいのか? 親友」


「ディランさんの認識であっているよ。その一ポイントをどう考えるかは人それぞれだけど、誰かを倒すために戦力を大量に投入して物量で攻めようとすれば、大規模攻撃で全滅した時に大きな打撃になる。大将を倒しても入るのは五ポイントだし、相手と五ポイント差なら同点、六ポイント以上差があるなら敗北になるねぇ。ちなみに同点の場合は大将同士で一騎討ちしてもらうってことで」


「誰を大将にするかってのも重要そうだな。……俺も暴れたいし大将はやりたくねぇけど。……ところで、今回も勿論報酬はあるんだよな?」


「バルトロメオ殿下以外にも気になっている人はいるだろうねぇ。……今回は優勝したチームのメンバー全員に、ボクのできる範囲で願いを叶えてあげるというのでどうかな? ただし、今回十五チームということで、もう一つ追加するコンピュータチームが優勝した場合はどのチームも権利を得られないってことで」


「……ほう、ローザ殿の選んだ強敵か。楽しみじゃな」


「ちなみに、用意するからには厄介な敵を用意させてもらうからねぇ。……それじゃあ、各チーム大将を決めてから、各チームの大将でくじ引きをしてトーナメント表を決めようか?」


-----------------------------------------------

Aブロック

 チーム十三、大将ジーノvsチーム四、大将ネスト


Bブロック

 チーム一、大将ローザvs チーム三、大将ラル


Cブロック

 チーム八、大将琉璃vsチーム九、大将ジルイグス


Dブロック

 チーム七、大将ミスルトウvsチーム二、大将エイミーン


Eブロック

 チーム五、大将ヴェモンハルトvsチーム十、大将イフィス


Fブロック

 チーム十四、大将トネールvsチーム十二、大将ヴァケラー


Gブロック

 チーム十一、大将ポラリスvsチーム六、大将アレッサンドロス


Hブロック

 チーム十五、大将リスティナvsNPCチャレンジクラスチーム

-----------------------------------------------


 結果はこんな感じ……まあ、ご愁傷様としか言えない組み合わせもあるけど、なんとなく面白い感じになりそうな戦いが多いねぇ。

 まあ、くじ引きの結果だし、恨むなら大将の運を恨め。


「それじゃあ、会場の設営をしてくるからちょっと待っていてねぇ。一応観戦の場所も用意しておくけど、戦闘に興味がない方はここで暫しご歓談を。後で挨拶回りに伺いますので」


 ……関係ない人達には申し訳ないけど、まずは戦闘狂達をどうにかしないと面倒だからねぇ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る