百合好き悪役令嬢の異世界激闘記 〜前世で作った乙女ゲームの世界に転生した悪役令嬢が前世の因縁と今世の仲間達に振り回されながら世界の命運を懸けた戦いに巻き込まれるって一体どういうことなんだろうねぇ?〜
Act.2-15 素材回収クエスト:ワイバーンの鱗を三匹分手に入れろ! 延長戦!! scene.1
Act.2-15 素材回収クエスト:ワイバーンの鱗を三匹分手に入れろ! 延長戦!! scene.1
<一人称視点・リーリエ>
何故低レベルのスキルで高い威力が出せるか……まあ、理由は至極単純――ステータスが高いからだねぇ。
LV:99,999
HP:150,000(+160,000(+160,000(+170,000(+180,000
MP:290,000(+300,000(+300,000(+310,000(+320,000
STR:300,000(+310,000(+310,000(+320,000(+330,000
DEX:560,000(+570,000(+570,000(+580,000(+590,000
VIT:100,000(+110,000(+110,000(+120,000(+130,000
MND:100,000(+110,000(+110,000(+120,000(+130,000
INT:490,000(+500,000(+500,000(+510,000(+520,000
AGI:600,000(+610,000(+610,000(+620,000(+630,000
LUK:300,000(+310,000(+310,000(+320,000(+330,000
CRI:400,000(+410,000(+410,000(+420,000(+430,000
CHA:600,000(+610,000(+610,000(+620,000(+630,000
▼
「▼」や「▶︎」の部分をクリックすると使用可能な技能とかの情報を出せるけど、今はいらないからねぇ。
ちなみに、簡単に法則性を見出せると思うけど、転生によって得られる上昇値は元のステータスと連動している。それぞれ、+100,000 、+100,000、+200,000 、+300,000 、という上昇値だから転生したての頃はデメリットが凄いんだけど、最終的には見逃せないレベルまでステータスが上がるんだよねぇ。だから、危険を冒しても何度も転生して上位種族を目指すんだよ。
この基礎ステータスに更に元の世界の得難い技術が合わさり、生前の技倆とかなんかも加わってくると、倍々ゲームみたいに強化されていく……まあ、ゲームではできないことも現実となった異世界では可能だし、同じようにゲームではできなかった挙動を敵が取ってくる可能性もある訳だからその辺りはしっかりと釣り合いが取れているけど。自分だけ有利なんて、そんなご都合主義が通る訳がないからねぇ。
「……という感じかな」
「……流石に闘気を使えてもそれは無理よね?」
「無理でございますね」
「そもそも見て盗むなど常人にはとてもできません。お嬢様が反則なだけです」
ラル、ジーノ、エリシェアの意見にアクアとヒースも同意の意味を込めて頷いている……おい、流石にボクも見ただけで全てを看破することは無理だって。まあ、剣技とか体術とかくらいなら見様見真似でそこそこの形にできるけどさ。
というかエリシェア、ボクを一体なんだと思っているんだ? そして、【ブライトネス王家の裏の剣】の時点でお前らが常人である筈はない。
「まあ、闘気が見えたら後は簡単――実際に使えばいいんだよ。内部の気の流れを感じ取って、丹田に力を入れて汲み上げるイメージ。そうすれば身体からオーラみたいなものが湧き上がって見える筈。これを弾丸に流し込めば強化できるけど、肉体に直接纏わせるよりも武器に流して纏わせる方が遥かに難しい。まあ、ラルさんは闘気戦闘術の練習をしつつ、完成するまでは
「……圓さん、アタシも一応
う〜ん、ラルの乙女心が満たされることはないんじゃないかな? 極夜の黒狼の女ボスのラルより強い男ってなると本当にごく一握りに限られてくるだろうし……ちょっと高望みし過ぎじゃないかな?
◆
ドラゴネスト・マウンテンに出現するドラゴンだけど、冒険者ギルドのランク付に照らし合わせればA+がワイバーン、ワイアーム、ドレイク、アンフィスバエナ、リンドヴルム、 A++がドライグ・ゴッホ、グウィバー、ナム・ドゥルック、エクシュキュ、クエレブレ、ニーズヘッグ、 A+++がヨルムンガンドという分布になっていた。
……えっ、なんでランクが分かるかって? シャマシュ教国産の鑑定スキルを使ってチョチョイとね。
……状況はかなりまずい。いや、対処できないって訳じゃないよ? ただ、『Eternal Fairytale On-line』の神話級のモンスター達が出現し始めたってのが……ちょっとねぇ。
ヨルムンガンドは、『オーバーハンドレッドレイド:神々の黄昏』に登場するレイドボスの一体だった。『北欧神話』においてはロキが巨人アングルボザとの間にもうけた三匹の魔物の一体で、他にフェンリルとヘルがいる。
世界樹ユグドラシルの三つ目の根を齧り、リスのラタトスクを介して樹上の大鷲フレースヴェルグと罵り合っているというニーズヘッグについてはレイドボスにまで昇格はさせなかったけど、世界樹ユグドラシルがレイドボスを務めるエリアではフレースヴェルクと共に強力な敵キャラとして君臨していた。ちなみに、ラタトスクは世界樹ユグドラシルの種という扱いで大量のユグドラシル・クローンを生み出してレイドランカーをボコボコにしていたっけ。
他のドラゴンに関してもあまりマイナーではないなどの理由でレイドボスにはしなかったけど……ここってよくよく考えるとかなりの難易度だよねぇ。ここでワイバーンを狩れっていうのがどれほどの難易度なのかようやく理解できたよ。……というか、ここまで来てなんでワイバーン? というのが本音だけど。
強力なドラゴン達相手にジーノ、エリシェア、アクアは余裕で、ヒースは少しだけ余力を残しつつ、ラルは死に物狂いで戦っていた。
ジーノとエリシェアは、流石はハーフィリア騎士爵家というべきか――まだ手の内を隠しながら戦っているみたいだねぇ。
アクアは変則的で型破りな剣技を使って戦っている――手の内は明かしているけど、元々隠そうともしていないし、まだまだ余力がありそうだから、隠そうと思えば手の内を隠せるんじゃないかな? ただ、隠そうとしないだけで。
やっぱりこの三人は別格だねぇ。そこに辛うじてついていけているヒースが凄いのか、【ブライトネス王家の裏の剣】だから当然と取るか難しいところだけど。
「あれは……ヴリトラだねぇ」
ここまではラルもなんとか戦えていたし、【ブライトネス王家の裏の剣】は余力を残しつつ戦うことができていた。
だけど、別格の――Sランクのヴリトラが現れたとなれば話は変わってくる。
ありとあらゆる物質を作り出すが可能な高次元万能物質を自在に作り出すことができる天を覆い隠すほどの巨体を誇るボスモンスター。
『スターチス・レコード』に登場するモンスターの頂点に立つ存在。
「これは……お嬢様、一度撤退をなされた方が」
流石のジーノも分が悪いと思ったらしい……まあ、天を覆い尽くすほどの巨竜が四体――山頂の方からこちら側に向かってきているって状況だからねぇ。
もしかしたら、ジーノならヴリトラ一体なら対処できたかもしれない……けど、それが四体となれば対処は不可能。……まあ、これほどのモンスターでも通常敵判定にしてくるんじゃないかって予感はしていたけどねぇ。過去……いや、未来にはドレッドナインボスが通常敵扱いで出てきたこともあったし、それよりはまだマシか。
「撤退するのは戦況が悪化してからでもいいんじゃないかな? とりあえず、ボクは一戦仕掛けてみるよ。ダメだったら転移するから帰還の準備だけしておいてねぇ」
本来、ジーノの立場だと全力でボクを止めるべきだけど「お嬢様を止めるのは無理ですよね」って顔を全員でしているし、とりあえずばこのまま好きにさせようと思っているみたいだねぇ。まあ、止められても一度は戦ってみるのがボクという人間なんだけどさ……そういえば、元の世界では一度も止められることはなかったよねぇ。一度決めたら止められない暴走列車とでも認識されているのかねぇ。
――グォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!
一斉にヴリトラが物質変換を発動してミスリルの槍状のものを放ってきた――確かに、強力な毒のブレスと巨体が売りのヨルムンガンドよりも強いっていう評価は妥当みたいだねぇ。
「
音声で技を指定して剣士系四次元職の剣帝の奥義を叩き込む。
一条、二条、三条、四条――無数に伸びた線状の斬撃がミスリルの槍状のものを貫くと同時に一瞬で消滅させる。……まあ、最強の物理系範囲攻撃スキルだからねぇ。
ヴリトラに直撃させてもいいんだけど素材回収をしたいからあえて逸らした。まあ、いざとなればもう一度「
「――渡辺流奥義・颶風鬼砕! 千羽鬼殺流奥義・北辰-圓式-」
猛烈な霊力を横薙ぎするのと同時に爆発させ、善悪や真理をよく見通し、国土を守護し、災難を排除し、正邪を見極め、敵を退け、病を排除し、また人の寿命を延ばす福徳ある面と、それが邪であれば寿命を絶ち斬る面の二つの顔を持つ菩薩の名を関する通り、斬りたいものを斬り、斬りたくないものは斬らないという斬るものを選別するという性質を付与して、辺り一帯に斬撃を放った。
流石のヴリトラも魂への直接攻撃には勝てなかったみたい……他のドラゴンと同じように自由落下していく。
…………そこまで警戒する必要は無かったみたいだねぇ。
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