なんだ、この異世界生活は⁉︎

りゅーせー

プロローグ

「ようこそこの天界へ。近藤和樹さん、あなたは死んだのです。」


 いきなり目の前の金髪美人のお姉さんにそんなこと言われた...

 なんだ⁇どうなってるんだ⁇確か、俺は...





 ある平日の昼間、俺はいつも通り布団でゴロゴロして寝ていた。

 高校3年生の大学受験期にもかかわらず、受験勉強なんてほったらかして、暇さえあればゲームばかりしてた。


 そんな俺だったが、その日は珍しく学校に行った。

 ロクに学校も来てない俺を、担任の先生が呼んだのだ。2者面談だそうだ。


 それまでにも何度も呼び出しをくらっていたが、今回は状況が違ったのだ。どんな状況だったかは思い出したくない。


 学校に行くには制服(学ラン)を着なくてはいけない。これがまた面倒なのだ。

 これも俺が学校に行きたくない理由なのだから...




 いやいや鞄をもって、外に出る。

 久しぶりの太陽を浴びた。

 何ヶ月ぶりの外だろうか...と、俺は思った。


 その瞬間、いきなり頭痛がした。

 とても立っていられない状態に俺はひどく困惑した。

「あぁ。やばい。まじでやばい。」






 俺はそのまま倒れた...と思う。

 なにせそこからの記憶がないのだから。

 なので、そこから聞くことにした。


「すみません。あの...死んだというのはどういうこですか?それに、天界って...?」


 俺の前にいる金髪美人に聞いた。

 その美人は、不思議そうに少し首を傾けて。


「...あの、ずいぶんの落ち着いていらっしゃるのですね...」


「あ、いや落ち着いているわけではないのですが、今の状況を知りたくて...」


 まぁ正直、死んだって言われて、多少は驚いたけど。

 どうせあのまま生きてたって意味なかったし、俺の人生つまらなかったからな。


「では、説明しますね。あなたは学校に行くために、外にでました。あまりにも久々に外に出たので身体がおびえ、ショックで亡くなりました。そして、今に至るということです。ププッ!」


 あれ?笑ってる?なにが面白いんだ?なんかイライラする。

 まぁなるほど、状況は何となく理解できた。でも、ショックって⁇


「あ、はい。何となく理解しました。しかし、あなたがなぜ笑っているかが少し気になったのですが。」


 そりゃそうだろ。そこ突っ込むだろ。


「ゴホンッ。いえ、気にしないでください。」


「...」


「...」


 そして、その女性は焦ったような顔をした。


「では、早速ですが、あなたにはこれから今まで暮らしてた世界とは別の世界で生活してもらいたいと思っています。もちろん、それがいやなら断ってもらってもいいのですが、そちらはあまりオススメはしません。」


 そちらというのは少し気になったが、俺は迷わなかった。


「いえ、最初の方でお願いします。」


 俺はもともと、そういうファンタジー世界に憧れていたのだ。迷う理由はどこにもない。


「よかった。その言葉が聞けてホッとしました。実はその世界には魔王がいて、人々を殺しまくっているのです。なので、カズキさんには魔王退治に行って欲しいのです。」


 いや、殺しまくってるって。

 もっと他の言い方あっただろ。


「そこでカズキさんには、転生特典でどれか一つだけ好きな武器や特殊能力が与えられます。」


 その女性は何やら分厚い本を取り出し、俺に渡してきた。

 見ると、転生特典でもらえるやつの一覧だった。

 だが、なんか色々おかしなものもあった。


「すみません、このなかにペットとかあるんですけど...」


「はい、ペットですよ。あちらでいう、ペット用の小型動物ってやつです。カズキさんの元いた世界でいうイヌやネコの類ですよ。」


 うわぁ、いらねぇ。と思った。こんなの選ぶやついんのか?

 そういえば、他にも転生者というのはいるのだろうか?

 とりあえず武器を選ぶことにした。


「じゃあ、この《ブーストセイバー》で。」


 この武器は戦うたびにどんどん強くなる代物らしい。しかも元々の攻撃力も強く、軽くて戦いやすそうだった。


「わかりました。では、召喚の準備をします。これから現れる魔法陣から出ないようにしてくださいね。中途半端に出てたりするとその部分が切り離されてしまうので、気をつけてくださいね。」


 うおっ。なにそれめっちゃこわ。

 この人えげつないこと言うなぁ。

 俺は出てきた魔法陣にしっかり入った。


「では、行ってらっしゃい、近藤和樹さん。無事、魔王を倒したからには私たち女神のなんちゃらパワーで、なんでも一つ願いをかなえてあげましょう。」


 なんだよ、そのなんちゃらパワーって...

 でも、なんでも一つ願いをかなえてくれるのか。どうしようかな。金持ちで美少女に囲まれて毎日ゲーム三昧なんていうのもいいな。


「さぁ、勇者よ。あなたのご武運を祈っています。」


 俺はそのまま異世界に飛ばされた。そして、 あることに気がついた?


 あれ?俺、いつあの女神さまから転生特典もらったっけ?あれあれ?


 あまり深く考えないことにした。多分あっちにいったらあるもんだろうと思って...

























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